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デンタルオフィス虎ノ門 | 院長ブログ

2025年9月29日

虫歯による歯茎の腫れの放置は危険?悪化サインと早めに受診すべき症状

「虫歯で歯茎が腫れてズキズキする。今すぐ楽にしたい」

「頬までふくらんできた…受診は急ぐべき?」

腫れが続くと不安になりますよね?

この記事を読めば、今すぐの対処法と受診の判断、再発を減らすコツまで一気に整理できます。

さっそく読み進めていきましょう。

この記事でわかること

  • すぐ受診したほうがよい症状の目安
  • その場でできる安全な対処と避ける行為
  • 原因と治療の流れ、良くなる目安
ボタン30秒

虫歯によって歯茎が腫れるおもな原因としくみ

原因と仕組み

歯茎の腫れは、虫歯だけで起きるわけではありません。

歯周病や親知らず、歯根の割れ、治療跡の再感染なども関係します。

しくみを知れば、受診の判断と対処が決まります。

虫歯で歯茎が腫れるのはなぜか?

虫歯で歯茎が腫れるのは、歯根の先に膿がたまるためです。

深い虫歯によって神経が弱ると、細菌が根の中に増え、先端へ炎症が広がります。

膿は出口を求め、骨や歯茎を押し上げてふくらみを作ります。

冷却や痛み止めでしのいでも膿は残ります。

放置で顎や頬へ広がる前に、歯科で診断と治療を受けてください。

歯茎が腫れるまでの流れ

虫歯が進むと、段階的に腫れが進行します。

歯の穴だけでは腫れません。

神経の障害と歯根の先の膿が原因です。

段階症状よくあるサイン
C3(虫歯が神経に達する段階)虫歯が神経近くまで進行強い痛み
歯髄炎神経が炎症で腫れる痛みがが夜に増す
歯髄壊死神経が弱り反応低下痛みが急に弱まる
根尖膿瘍根の先に膿がたまる歯茎のふくらみや発熱

膿が出始めると、歯茎の腫れがあらわれます。

こうした症状が出た場合、根管治療や排膿が必要です。

歯の根が割れている(歯根破折)

歯の根が割れている場合も、歯茎の腫れを引き起こします。

ヒビから細菌が入り、根の周囲で炎症が続くためです。

噛むと鋭い痛みが走る、同じ場所だけ腫れる、差し歯で黒い筋が見えるなどの症状には気をつけてください。

歯周病(歯肉炎~歯周膿瘍)

歯周病は、歯と歯茎の境目からの感染が原因で腫れを引き起こします。

磨き残しで細菌が増えると、溝が深くなり、ふたのように閉じて膿がたまります。

急に大きく腫れた場合は歯周膿瘍の可能性があります。

歯石除去と洗浄、必要に応じて切開で膿を出します。

自宅では優しく清掃し、強いうがいは避けてください。

再発を防ぐには、清潔さの維持と磨き方の見直しが欠かせません。

親知らずの炎症(智歯周囲炎)

親知らずは奥まで掃除しにくく、汚れが入り、細菌が増えると腫れや痛みが出ます。

飲み込みで痛む、口が開きにくい、口臭が強いなどの症状は注意が必要です。

抗菌薬の自己判断での使用は避け、医療機関で患部の洗浄と消毒を受けてください。

腫れが落ち着いた後、向きや噛み合わせを見て、温存か抜歯かを決めます。

炎症を繰り返す場合は抜歯で再発を断つ選択が現実的です。

関連記事:歯茎が腫れて押すと痛いのは危険?放置NGサインと正しい対処法

虫歯で歯茎が腫れる?治療の進め方(診断から処置まで)

治療の進め方

診査で原因を特定し、痛みを抑えながら感染源を断つ流れが一般的です。

排膿で歯茎の圧を下げ、根管治療や歯周治療をおこないます。

膿を出す処置(切開、根の中からの排膿)

膿による歯茎の圧が高いままだと炎症が広がり、飲み込みや開口にも影響します。

歯茎がふくらみ、押すと痛い場合は切開排膿で膿の出口を作り、歯根の中が原因なら歯根の中から排膿します。

排膿で症状がましになっても治っているわけではありません。

根管治療で原因を断ちましょう。

根管治療で原因を取り除く

根管治療は、歯根の中のばい菌と汚れを除き、密封まで進める治療です。

まず、歯を開けて根の入口を探し、細い器具で中を広げながら洗浄します。

薬を入れて仮のふたで数日静置し、炎症が静まってから詰め物で根を密封し、土台や被せ物で強度と密閉性を高めます。

正しく治療を進めると、歯を残せる見込みが上がります。

虫歯が原因?歯茎の腫れを放っておくとどうなる?

歯茎の腫れ放っておく

歯茎の腫れを放置すると、痛みや腫れがひどくなる可能性があります。

歯の保存が難しくなり、口臭や発熱も起きるかもしれません。

まれに症状が広がる場合があるため、早期受診を優先してください。

痛みや腫れが強くなる

膿で歯茎の圧が上がり、神経や周囲組織が刺激されると症状が悪化します。

皮膚の上から熱く感じる、頬がふくらむ、口が開けにくいなどの症状も加わる可能性があります。

悪化の目安は以下のとおりです。

  • 夜間のズキズキとした痛みが増加
  • 噛むと鋭い痛み
  • 皮膚の熱感と赤み
  • 口が開けにくい
  • 発熱とだるさ

上記のような症状が続くのであれば、受診を急いでください。

歯を残せない可能性が高まる

放置する期間が長いと、歯の保存が難しくなる場合があります。

感染が根の先や骨へ広がり、土台となる部分が減るためです。

大きな骨の欠損や深いひびが見つかると、根管治療では回復が見込めない例が増えます。

噛む度に響く、歯が高く当たる感覚がある場合は要注意です。

早期に排膿と根管治療へ進めば、被せ物まで到達できる見込みが上がります。

口臭や生活の質の低下

痛みの放置は口臭と生活の質に直結するでしょう。

噛むと痛いため、食事がやわらかい物へと偏り、栄養も乱れやすくなります。

睡眠中の拍動痛で目が覚め、日中の集中力も落ちるかもしれません。

  • 朝の強い口臭
  • 金属味や嫌な味
  • 食事の偏りと満足度低下
  • 睡眠の質の低下
  • 会話や仕事への自信低下

根本治療で根本から治療をおこない、いつもどおりの日常を取り戻しましょう。

痛みの放置がまれに全身の病気につながる

放置した感染は、まれに顔や首の深い部位へ広がります。

気道近くまで達すると呼吸や飲み込みへ影響し、細菌が血流へ乗ると、持病がある人は合併症の引き金になる例があります。

高熱、悪寒、脈の増加、息苦しさの症状は危険信号です。

早期の排膿と抗菌薬の適正投与で、悪化を防げます。

以下のサインが出たら至急受診してください。

  • 38℃以上の発熱と悪寒
  • 呼吸のしにくさ
  • 口がほとんど開かない
  • 腫れの急速な拡大

早めの対応が悪化を防ぎます。

虫歯による歯茎の腫れはどのくらいで良くなる?

経過の目安

排膿と根の処置で多くは数日で軽快へ向かいます。

受診の有無で経過は大きく変わります。

無理な様子見を避けるために、代表的な目安を示しましたので、確認してください。

治療を受けた場合の目安

治療を受ければ、痛みは数日で治まります。

初回の処置後は、腫れのピークが過ぎると体が楽になります。

患部を冷却しながら安静にし、指示どおりに受診を重ねましょう。

下の表は代表的な経過の目安です。

時期症状の変化自宅ケアの目安
当日~24時間後痛みがやや軽減、圧迫感は残存15分冷却→15分休むを数回繰り返す
48~72時間後腫れが引き始める、噛んだときの痛みが低下やわらかい食事、清潔保持
1週間前後患部のふくらみが縮小指示どおり通院、薬の内服
数週間後~根の密封後は再発リスクが低下定期検診で状態を維持

治療を受けても変化が乏しかったり、発熱が続いたりする場合は早めに医療機関に相談してください。

受診せずに悪化するパターン

自己判断で様子見を続けると、痛みと腫れが強まる可能性があります。

痛みが頬へ広がる、口が開けにくい、夜間の拍動痛が増えるなどの症状が出ます。

日常への支障が大きくなる前に対処しましょう。

下記に進行例を整理します。

  • 1~3日:拍動痛の増加、歯茎の赤み拡大
  • 4~7日:頬の腫れ、噛んだときの痛みの急増
  • 1~2週:膿の出口ができて一時は腫れがおさまるが、再発するサイクルを繰り返す
  • 以後:骨の壊死などが進み、歯の保存が難しくなる

自己判断で症状が悪化した場合、回復が遅くなる可能性があります。

早めの排膿と原因治療へ切り替えてください。

虫歯で歯茎が痛い!再発を防ぐためにできること

再発防止

再発を防ぐコツは、毎日の衛生状態の維持と生活習慣を整える意識です。

歯科での定期的なメンテナンスで、原因を一つずつ減らしていきましょう。

毎日のケア(フロスや電動歯ブラシ、口腔洗浄器の使い方)

再発予防は順番と道具選びで決まります。

食後はフロスで歯間の汚れを抜き、電動歯ブラシで面全体を磨く流れが有効です。

ジェット洗浄は仕上げに使い、歯周ポケットの残りかすを流します。

歯磨きは何回も磨くより、丁寧に1回全歯を磨くのが基本です。

強く磨きすぎないよう、力加減に注意しましょう。

フロスは1日1回就寝前が目安です。

電動は45度で歯と歯茎の境目に軽く当てます。

口腔洗浄は低圧から始め、しみる部位は短時間で切り上げてください。

睡眠とストレスの整え方

炎症は睡眠不足や強いストレスで悪化しやすいです。

就寝90分前からスマホとカフェインを控え、明かりを落として入眠準備に入ります。

ぬるめの入浴で体温を一度上げ、寝る前に下げると寝付きがやすくなるでしょう。

呼吸は4秒吸って6秒吐くリズムで緊張を下げます。

歯ぎしりが強い日は、寝る前に頬とこめかみを温タオルでゆるめます。

深夜の覚醒(眠れない状態)が続く、いびきが強いなどがあれば、医療機関で相談してください。

食事と嗜好品の見直し

間食の回数が多いほど、口内が酸性に傾きやすくなります。

砂糖入り飲料をダラダラ飲む習慣は中断し、飲むなら食事中に一緒が無難です。

アルコールは就寝直前を避けてください。

喫煙は歯茎の血流を下げ、治りを遅らせます。

完全禁煙が難しい場合は本数とタイミングのコントロールから始めましょう。

営業中の間食は、ナッツやチーズなど粘つきにくい物へ切り替えてください。

定期検診とクリーニング

再発リスクは定期的なメンテナンスで大きく下げられるでしょう。

受診では、歯石除去と染め出し、歯周ポケット測定、噛み合わせチェックまでを確認します。

セルフケアの癖が分かれば、道具をよりうまく使えば精度が上がります。

予約の次回日程をその場で確保することも大事です。

受診記録を持参し、前回からの変化を一緒に確認してください。

ナイトガードの活用(就寝時マウスピース)

就寝時の噛みしめは、歯と修復物に大きな負荷をかけます。

ナイトガードで力を分散すると、ひび割れや再感染の可能性を減らせるでしょう。

歯型から作るタイプは適合が良く、違和感が少ない設計です。

装着は就寝直前から起床までが基本で、朝は水洗い、週1で中性洗剤や専用剤で清潔に保ちます。

歯に合わないとが感じたら、調整が必要です。

歯ぎしり音の指摘、朝の奥歯痛、詰め物の脱離歴がある人は導入を検討してください。

保険の扱いについては医療機関で確認し、定期チェックで状態を確認しましょう。

関連記事:親知らずの抜歯後の適切なケア方法

参考記事:日本歯科医師会-虫歯

【まとめ】今できる対処と受診の目安を押さえて行動しよう

最後に押さえておきたいポイントをもう一度整理します。

  1. 受診の目安は38℃以上の発熱や顔の明らかな腫れ、口が開かない、飲み込みの際の強い痛みです。
  2. 深い虫歯の膿、歯周病、親知らず、歯根破折、治療歯の再感染がおもな理由です。
  3. 応急対応は患部冷却15分→15分静置、口内清掃はやさしく、鎮痛薬は指示どおりに使用。強いうがいや膿を潰す行為、飲酒、喫煙は避けます。
  4. 治療は可能ならば早めのタイミングから始め、必要なら抜歯へ進みます。
  5. 再発予防はフロスや電動ブラシ、歯磨き粉の使用、3~6カ月の定期メンテナンスやナイトガードの活用です。

当てはまる症状があれば、今すぐ受診予約を入れてください。

治療後に発熱や腫れが強まる場合は早めの連絡が必要です。

痛みと腫れへの不安を手放し、安心して過ごせる毎日へ進みましょう。

ボタン1分

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当院、医療法人歯科ハミールの分院も、今後共よろしくお願いいたします。

 この記事を書いた人

デンタルオフィス虎ノ門 院長 柳瀬賢人

デンタルオフィス虎ノ門 院長 柳瀬賢人

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出身高校

  • 愛知県立明和高等学校

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