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デンタルオフィス虎ノ門 | 院長ブログ

2025年12月6日

歯茎がぷくっと腫れる原因は?受診目安や適切な処置を解説!

歯茎がぷくっと腫れると、不安になるでしょう。
さらに痛みが弱い日もあれば、噛むと響く日もあります。

腫れが続いたり繰り返したり、膿や発熱を伴う場合は、早めの歯科受診をおすすめします。
歯肉炎や歯周病、歯根周囲の感染、親知らず周囲の炎症など、進行で治療範囲が広がる疾患が多いためです。

初期は出血や違和感だけでも、炎症が深部へ及ぶと骨や周囲組織に影響が出てしまいます。セルフケアは重要ですが、原因が異なると最適な対処も変わるため、受診で原因を見極め、適切な処置をしましょう。

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歯茎がぷくっと腫れるときの特徴

歯茎がぷくっと腫れるときの特徴

歯茎がぷくっと腫れる症状は、炎症の深さと範囲で見え方が変わります。まずはサインを整理しましょう。

腫れ方や位置、経過で原因を推定します。痛みや発熱の有無も重要です。

痛みや出血の有無

痛みが弱く出血が目立つ場合は、歯肉炎の可能性が高いでしょう。慢性経過で自覚が乏しい傾向です。

ズキズキと拍動する痛みや噛むと響く痛みは、歯根の感染で起きやすい所見です。膿が出ると一時的に和らぐ場面もあります。

市販薬で隠れる痛みは、原因の改善には直結しません。早めに検査へ進みましょう。

腫れの位置

歯と歯の間の局所的な腫れは、食片圧入が背景にある場合があります。除去で早く引く可能性が高いでしょう。

歯の根の先の位置に一致した膨らみは、根尖部の炎症で見られます。瘻孔が白く見えることもあります。

親知らずの周囲だけ腫れる場合は、智歯周囲炎を疑ってください。

繰り返す症状

同じ部位で腫れを繰り返す場合、歯周ポケットの残存や根管内の細菌残留が考えられます。

親知らずのフラップ下は汚れが溜まりやすく、再燃しやすい場所のためです。

再発が続くと組織破壊が進み処置が複雑になってしまうため、早めに受診しましょう。

歯茎がぷくっと腫れる主な原因と見分け方

歯茎がぷくっと腫れる主な原因と見分け方

原因により治療の方向が異なります。見分けるための要点をしっかり押さえましょう。

歯肉炎・歯周病による腫れのサイン

歯ぐきの発赤や腫脹、ブラッシング時の出血が目安となるでしょう。初期は痛みが弱い傾向にあります。

炎症が深部へ広がるとポケット内で細菌が増え、骨の吸収が進みます。歯の動揺や口臭も出やすくなるでしょう。

定期的なプロケアと、プラーク・歯石除去で改善を目指してください。

歯根のうみ

深い虫歯の放置で、根の先に膿の袋が形成されてしまいます。噛むと響く、拍動痛、浮いた感覚が典型例です。

膿が多い場合は歯茎に瘻孔が開き、排膿で一時的に楽に感じますが、感染源が残ると再発してしまう恐れがあります。

根管治療で感染源を断ち、洗浄や消毒、充填を行いましょう。

親知らず周囲の炎症

部分萌出した親知らずの周囲で、フラップ下に汚れが停滞します。急に腫れて痛みが出る場合もあるでしょう。

重症化すると開口障害や発熱、頬のはれを伴う場合もあります。深部へ波及する前に受診をしましょう。

炎症コントロール後、再発予防として抜歯を検討する可能性もあります。

その他

歯ブラシの擦過傷や食片圧入、アフタ性口内炎、薬剤性・ホルモン性の歯肉増殖などさまざまな理由で腫れる場合があります。

痛みが少ないのに増大する膨らみは、腫瘍性病変の恐れもあるため、早めに歯科医院へ相談したり、受診したりしましょう。

背景が多様なため、受診で見極めることが大切です。

原因と特徴の早見表

以下の表を参考にし、気になるものがあれば歯科医院へ相談しましょう。

想定される原因痛みサイン初期対応
歯肉炎・歯周病弱い~なし出血、発赤、腫脹清掃・歯石除去
歯根のうみ強い噛むと響く、瘻孔根管治療評価
親知らず周囲炎中~強後方歯肉の腫れ洗浄・抗菌薬検討
食片圧入軽い局所腫れ・圧痛除去・清掃
口内炎しみる白い潰瘍局所薬剤

受診のタイミングと緊急度の目安

受診のタイミングと緊急度の目安

歯茎ぷくっと腫れる状態は、原因により緊急度が変わります。痛みが弱くても、炎症が深い場合は進みやすいためです。

自己判断で様子見を長く続けると、膿がたまりやすく治療が長引くおそれがあります。目安は「続く期間」「全身のサイン」「場所と繰り返し」の3点です。

迷う前に以下を参考にしてください。

「痛みなしでも受診すべき」期間の目安

痛みが弱くても、腫れが7日続くなら受診をおすすめします。慢性炎症は静かに広がるため、出血や口臭、歯のぐらつきが出る前に歯科医院を受診するようにしましょう。

特に、朝より夜の方が腫れやすい、押すと血や透明な液がにじむ、噛むと違和感が増えるといった変化は受診のサインです。

見た目が小さくても、ポケットが深いと細菌が残りやすいでしょう。繰り返す同部位の腫れは、根の感染や合わない被せ物、親知らず周囲の汚れ停滞が関わる場合があります。

早い段階で原因を特定できると、スケーリングや根管治療など、負担の少ない処置で収まる可能性も高いでしょう。迷うときは一度レントゲンを含めて点検してください。

発熱や強い痛みなどがある場合

38.0℃前後の発熱や夜も眠れないほどの強い痛み、口が開きにくい、飲み込むと喉が痛い、頬まで腫れる場合は早めの受診をしましょう。

親知らず周囲の炎症や根の膿が広がると、顎の下のリンパが腫れ、顔つきまで変わることがあります。

無理に押したり温めたりすると悪化しやすいです。冷やしすぎも避け、清潔を保ち、早めに歯科へ連絡してください。

妊娠中、糖尿病、ステロイドや免疫抑制薬の内服がある方は、感染が広がりやすいので特に注意しましょう。

まず一般歯科を受診し、開口障害や高熱が続く場合は口腔外科への紹介状を書いてもらう流れになります。

強い腫れは仕事や学業へも影響しやすいため、早期の鎮静と原因治療が大切です。

抗生物質の自己判断に注意

抗生物質を自己判断で飲むと、いったん楽に感じても原因が残ったままのため再発してしまいます。

合わない薬や短い内服は、細菌を残しやすく、耐性化の一因にもなりかねません。飲み合わせで効きが弱くなる場合や、アレルギーの心配もあります。

腫れの原因は「歯周ポケット内の汚れ」「根の中の感染」「親知らずのフラップ下の汚れ」などです。薬だけでは届きません。

スケーリングやルートプレーニング、根管の洗浄・消毒、親知らずの洗浄や抜歯の検討など、原因へ届く処置が必要です。

市販の鎮痛薬は短期で用法を守って使い、長引くときは中断して受診へ切り替えてください。早めの診断で、薬の選び方や期間も適切に決められるでしょう。

歯科で行う検査と主な治療の流れ

歯科で行う検査と主な治療の流れ

歯茎がぷくっと腫れる原因は一つではありません。見た目が似ていても、歯周病、根の感染、親知らず周囲の炎症など、中身は別物です。

まずは検査で「どこに炎症があるか」「膿の出口があるか」「骨が溶けていないか」を見極めましょう。

検査の結果で、清掃中心で済む段階か、根管治療や抜歯まで視野に入れる段階かが分かれます。早期に動けば、処置が短く、負担も軽くなりやすいでしょう。

視診・歯周ポケット検査・X線/CTの役割

検査では、見える情報や触れて分かる情報、画像から読む情報をそろえ、重ねて判断していきます。

歯茎がぷくっと腫れる原因を早く絞り、無理のない処置計画へつなげましょう。

視診・触診

  • 腫れの形と広がりの確認
  • 発赤・白い点(瘻孔)の有無
  • 熱感・圧痛の位置
  • 歯肉の張りと光沢
  • 口内清掃状態の把握
  • 歯周ポケット検査
  • 6点法で深さ測定
  • 出血・排膿の確認
  • 歯の動揺度の評価
  • 根分岐部の関与確認
  • 感染の局在把握

X線(デンタル・パノラマ)

  • 骨吸収の範囲
  • 根尖の透過像の有無
  • 歯石沈着の確認
  • 被せ物の適合
  • 隣接面むし歯の検出

CT(必要時に追加)

  • 根の形・湾曲・分岐
  • 親知らずの位置関係
  • 病変の立体的広がり
  • 上顎洞・神経との距離
  • 外科時のリスク把握

視診で入口を見つけ、ポケット検査で深さを推定し、画像で裏づけをして判断していきます。急性期の痛みを和らげられるのはもちろん、原因を突き止め、処置をするため再発も減らせるでしょう。

原因に応じた処置

検査の結果に合わせ、範囲と優先度を決めていきます。無理なく段階的に進めましょう。急性の痛みが強い日は、痛みを抑える処置を優先します。

歯肉炎・歯周病(初期)

  • プラーク除去とスケーリング
  • ブラッシング指導と器具選び
  • 必要に応じてルートプレーニング

歯周病(中等度以上)

  • 深い部位の再評価(再測定・再撮影)
  • 外科処置の検討(フラップ手術)
  • 骨再生療法の適応評価

根尖性の感染(根のうみ)

  • 根管内の洗浄・消毒・仮封
  • 排膿路の確保(切開排膿を含む)
  • 無菌的に根管充填、最終補綴

親知らず周囲の炎症

  • 洗浄と消毒、痛みと腫れの鎮静
  • 抗菌薬・鎮痛薬の短期投与
  • 炎症消退後の抜歯可否の判断

その他(食片圧入・口内炎・薬剤性)

  • 原因除去と刺激回避
  • 局所薬剤の短期使用
  • 処方薬や装置の見直し提案

薬だけで隠す対応は再発しやすいです。原因部位の清掃や根の処置までしっかりと治療していきましょう。

再発リスクと通院回数の目安

再発を減らす鍵は、原因の取り残しがないように治療することです。清掃のやり方、被せ物の合い、親知らずの向きなど、再発の芽を一つずつ潰していきましょう。

下の表は一般的な目安です。歯の位置、根の本数、全身状態で前後します。

病態・処置再発リスクの傾向初回〜完了の目安回数メインテナンス間隔
歯肉炎/初期歯周病の清掃生活習慣で再燃しやすい1〜2回3〜6か月
歯周病(中等度)SRP集中深い部位で残存リスク2〜4回3〜4か月
歯周外科/再生療法後清掃不良で再進行あり3〜5回3〜4か月
根管治療(単根)根管形態が単純なら低め2〜3回経過観察6〜12か月
根管治療(複根)分岐部で残菌リスク3〜5回経過観察6〜12か月
親知らず:炎症鎮静→抜歯フラップ下で再燃しやすい2〜3回抜歯後は創治癒確認
食片圧入の調整接触点改善で低下1〜2回定期検診で確認

歯肉炎や初期歯周病は、清掃によって治ってくるでしょう。ただ、寝る前の磨き残しや喫煙で再燃しやすくなるため注意してください。

中等度以上の歯周病は、深いポケットで取り残しが起きやすいです。外科で視野が広がると、根面が見え、残存リスクを下げやすくなります。

根管治療は、単根歯だと短期でまとまりやすいですが、複根歯は分岐部の処置が増えると通院回数も増えるでしょう。

親知らずは炎症が落ち着いてから抜歯のタイミングを合わせます。食片圧入は、糸切りや調整で接触点を整えると再発が減ります。いずれも、仕上げは定期検診とプロの清掃で維持していきましょう。

自分でできるケアと再発予防

自分でできるケアと再発予防

歯茎ぷくっと腫れる悩みは、毎日のケアで減らすことができます。道具選びと当て方を整え、汚れがたまりやすい場所をしっかりとケアしていきましょう。

短時間でも、回数を重ねると効果が出やすいです。無理に強く磨かず、やさしく回数で勝負しましょう。

親知らずの周りや歯と歯の間は、歯ブラシだけでは届きにくい場所です。補助清掃具を使用してケアしましょう。

正しいブラッシング・補助清掃具の使い分け

歯ブラシは毛先を歯ぐきのきわへ45度傾け、小さく横へ動かします。1本ずつ面を分けて磨いてください。

強く押すと歯ぐきが下がりやすいため、鉛筆にぎりで軽く当てます。歯と歯の間はフロスで上下にすべらせ、側面のぬめりを落とします。

すき間が広い所は歯間ブラシへ切り替えましょう。親知らずの周りは、奥から手前へ汚れを掃き出すように意識してみてください。寝る前は1分でも良いので、歯間清掃を入れましょう。

生活習慣と口腔環境

甘い飲み物や間食が多いと、虫歯菌の酸が増えやすくなります。水やお茶へ置き換え、砂糖の回数を減らしましょう。

喫煙は血のめぐりを下げ、歯ぐきの守りを弱めてしまいます。腫れにくい環境へ近づけるためには、禁煙したり吸う本数を減らしてください。

睡眠不足や強いストレスは、免疫が下がり、親知らず周囲炎や口内炎が再燃しやすくなるでしょう。

体調がゆらぎやすい時期は、歯間清掃を先に組み込み、短時間でも毎日ケアするようにしてみてください。

糖尿病がある方は、血糖が乱れると歯周病が悪化しやすいため、内科の治療と合わせて口のケアをする必要があります。

以下を参考に生活習慣を見直してみましょう。

  • 水分の基本は水か無糖茶
  • 就寝前の歯間清掃を固定
  • 喫煙本数の段階的な減量
  • まとめて噛むより、ゆっくりよく噛む
  • 定期検診の予約を先に確保

市販のうがい薬・鎮痛薬

洗口液は、あくまで清掃の補助です。磨いた後に使うと、口の中がすっきりし、においの元も流しやすいです。しみる所は低刺激タイプを選んでみてください。

鎮痛薬は用法用量を守り、連日長引かせない範囲で短期使用が目安です。腫れが続く、熱が出る、噛むと響くといったサインがあれば、薬だけで粘らず受診しましょう。

親知らず周囲の強い痛みでは、冷やし過ぎに注意し清潔を保ちます。自己判断の抗生物質は再発のもとになりやすいです。歯科医院での検査で原因へ届く処置を決めましょう。

よくある質問と回答

よくある質問と回答

ここでは、歯茎がぷくっと腫れる悩みで、よくある質問にお答えします。迷ったら腫れが続く日数や発熱の有無に注目してください。

自然に治る?いつ受診すべき?

食べかすが挟まっただけの軽い腫れや小さな擦り傷は、清掃で早く落ち着く場合があります。

一方で7日続く腫れ、膿や発熱、噛むと響く痛みは受診のサインです。くり返す同じ場所の腫れにも注意しましょう。早めに検査へ進むと、処置の選択肢が広がります。

白っぽい膨らみ=膿?がんの可能性は?

白い点は瘻孔(排膿の出口)で見える場合があります。押して一時的に楽になっても、原因が残ると再発しやすいです。

痛みが弱いのに大きさが増したり、形や色が不均一で治りにくかったりする場合は口腔外科で早めに確認してください。

海外滞在中で受診できない時の対応は?

まず清掃を優先し、フロスや歯間ブラシで挟まりをなくしましょう。強い冷却や刺激の強いうがいは避け、鎮痛薬は短期で用法を守ってください。

発熱や顔の腫れ、開口しにくさが出たら、現地の医療機関へ相談してください。帰国後はX線などで原因を特定し、計画的に治療へ進みます。

押すと血が出るのは歯肉炎?

押しただけで血がにじむ症状は、歯肉炎でよく見られます。

歯ぐきのきわにプラークが残りやすいため、毛先を45度で軽く当て、寝る前にフロスを入れましょう。1か月続く出血やにおい、歯の揺れがあれば、歯周病の可能性もあるため検査をおすすめます。

弾けて消えてまた腫れるのはなぜ?

瘻孔から膿が出ると一時的に楽になりますが、閉じると内部で再びたまりやすくなります。根の中や深い歯周ポケットに細菌が残るためです。

根管の洗浄や消毒、密封、深部清掃、親知らずの抜歯検討など、原因へ届く処置で再発ループを断ちましょう。放置せず早めに歯科医院を受診してください。

まとめ|早めの受診で治療の選択肢を広げよう

歯茎がぷくっと腫れる背景には、歯肉炎・歯周病、歯根の感染、親知らず周囲の炎症などさまざまな要因が考えられます。

見た目が似ていても原因は別で、対処法も変わります。痛みが弱い段階でも、深い場所で炎症が進む場合もあるでしょう。

7日続く腫れや膿、発熱、噛むと響く痛み、同じ部位の再発は受診のサインです。早めの検査で原因を断定して安心しましょう。

日々のケアは、毛先45度のやさしいブラッシングとフロスや歯間ブラシを併用してみてください。水や無糖茶を基本にし、喫煙は減らして睡眠を確保することも大切です。

定期検診で維持すれば、再発を抑えやすくなります。早めに受診すれば治療の幅が広がります。迷う前に歯科医院へ相談しましょう。

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当院、医療法人歯科ハミールの分院も、今後共よろしくお願いいたします。

 この記事を書いた人

デンタルオフィス虎ノ門 院長 柳瀬賢人

デンタルオフィス虎ノ門 院長 柳瀬賢人

所属学会・勉強会

経歴

出身高校

  • 愛知県立明和高等学校

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