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デンタルオフィス虎ノ門 | 院長ブログ

2025年7月5日

親知らずが生えかけで痛いのはなぜ?原因と対処法を歯科医が徹底解説!

「親知らずが生えかけで、なんだか奥歯がズキズキする…これって放っておいていいの?」

「冷やしたら少し楽になったけど、このまま様子を見ても大丈夫?」

こうした疑問や不安に応える記事です。

この記事でわかること

  • 親知らずが生えかけで痛む原因とそのメカニズム
  • 放置すると起こる炎症や歯並びへの悪影響
  • 自宅でできる応急処置と歯科での治療の流れ

親知らずの痛みは自然におさまるとは限りません。

原因を見逃すと、炎症が悪化して口が開かなくなったり、隣の歯が虫歯になったりする場合もあります。

痛みの正体がわからず不安なまま過ごすのはつらいですよね?

この記事を読むことで、親知らずの痛みにどう対処すればよいかが明確になり、安心して適切な判断ができるようになります。

親知らずのトラブルを最小限に抑えるために、最後まで読んでみてください。

ボタン30秒

親知らずが生えかけて痛いのはなぜ?

親知らずが生えかけて痛いのはなぜ?

親知らずが生えかけている時期は、歯ぐきの中で炎症や圧迫が起きやすく、痛みを感じることが多いです。原因を正しく知ることが、適切な対処につながります。

親知らずが「生えかけ」で止まる理由とは?

親知らずが中途半端な位置で止まるのは、顎のスペース不足が主な原因です。もともと親知らずは最後に生えてくる永久歯であり、他の歯が並んだ後に出てきます。現代人は食生活の変化などで顎が小さくなり、親知らずのための十分なスペースがありません。

スペースが足りないと、親知らずは真っすぐに生えることができず、歯ぐきの中や横向きに成長して途中で止まります。その結果、歯ぐきの中で歯が押し合い、違和感や痛みを感じやすくなります。

親知らずが完全に生えきらずに止まるのは、体質や骨格の問題が影響しています。無理に生えようとすることで、他の歯や神経にも影響を与える可能性があります。

生えかけの親知らずが痛むメカニズム

親知らずが生えかけの状態で痛むのは、周囲の組織が刺激を受けて炎症を起こすためです。

歯ぐきの内部で歯が動くと、その周囲の粘膜や骨に強い圧がかかります。さらに、歯が中途半端に出ていると汚れが溜まりやすく、細菌が繁殖します。

例えば、歯ブラシが届きにくい部分に親知らずがあると、そこにプラークや食べかすが溜まります。清掃が不十分な状態が続くと、歯ぐきが腫れて膿がたまり、激しい痛みや発熱を引き起こすこともあります。

炎症によって顎のリンパ節が腫れる場合もあり、口を開けづらくなるケースも見られます。痛みの原因が単なる「歯が生える刺激」だけでなく、感染や炎症によるものか見極めることが重要です。

炎症や腫れが起こりやすい状況とは

親知らずが生えかけの時期に炎症や腫れが起こる背景には、いくつかの悪条件が重なっています。最も多い原因は、口腔内の清掃不良です。歯ぐきの一部が親知らずに覆いかぶさっている場合、その隙間に細菌が繁殖しやすくなります。

特に以下のような状況では、炎症が起きやすくなります。

  • 睡眠不足やストレスなどで免疫が低下している
  • 食べかすが詰まっているのに放置してしまう
  • 硬い物を噛んで刺激を与えた
  • 親知らずの周囲を強く磨きすぎて傷つけた

例えば、食後にうがいや歯みがきをせず、寝てしまうと、菌が繁殖しやすくなります。加えて、忙しくて歯科受診を先延ばしにすると、炎症が慢性化しやすくなります。

日常生活の中で予防を心がけるだけで、痛みや腫れのリスクを減らせます。歯科での早めの相談が必要です。

関連記事:親知らず抜歯後の顔の変化と注意点を徹底解説

放置は危険?生えかけの親知らずが引き起こすトラブル

放置は危険?生えかけの親知らずが引き起こすトラブル

親知らずが中途半端に生えた状態で放置すると、さまざまなトラブルの原因になります。痛みや腫れだけでなく、炎症や口内環境の悪化にもつながるため、早めの対処が必要です。

智歯周囲炎(ちししゅういえん)のリスク

生えかけの親知らずを放置すると、智歯周囲炎という炎症を起こすことがあります。

これは親知らずの周囲に細菌がたまり、歯ぐきが腫れてしまう状態です。

理由は、親知らずが奥に位置し、清掃が行き届きにくいからです。生えかけの歯と歯ぐきの間に食べかすや細菌が入り込むと、歯肉に炎症が広がって痛みを生じます。

例えば、夕食後に歯みがきをしたあとも奥歯の親知らずの周囲だけが痛く、鏡で見ると歯ぐきが赤く腫れているというケースがあります。この段階で歯科を受診すれば、洗浄や抗生物質などの治療で改善します。

結論として、智歯周囲炎は進行すると発熱や口が開かなくなる原因にもなるため、早期の受診が大切です。

虫歯や歯並びへの悪影響

親知らずが斜めや横向きに生えると、手前の奥歯と密着し、虫歯のリスクが高まります。

また、押される力によって歯並びが乱れる可能性も出てきます。

理由は、親知らずが正常な向きで生えていないと、その周囲に歯ブラシが届きにくくなり、汚れがたまりやすくなるからです。

例えば、鏡で親知らずの周囲を見たときに、隣の歯との間が黒ずんでいたり、歯ぐきが腫れていたりする場合は、すでに虫歯が進行している可能性があります。さらに、前歯が少しずつズレてきたという相談も多くあります。

虫歯や歯列への影響を最小限にするためにも、生えかけの親知らずは放置せず、定期的に状態を確認しましょう。

口臭や噛み合わせの問題にも発展する可能性

生えかけの親知らずが原因で、口臭が発生する場合があります。

さらに、噛み合わせが悪くなると、あごの筋肉や関節に負担がかかるようになります。

要因は、歯の清掃が不十分になり、菌が繁殖して臭いの原因物質を生み出すからです。また、上下の歯が正しく噛み合わない状態が長く続くと、咀嚼に偏りが生まれます。

例えば、口臭が気になると感じて歯医者に行ったところ、親知らずの周囲に膿がたまっていたというケースもあります。また、肩こりや頭痛の原因が噛み合わせのずれによるものと判明したこともあります。

結論として、生えかけの親知らずは見た目だけで判断せず、臭いや噛みにくさなどの変化があればすぐに歯科で相談するのが安心です。

生えかけの親知らずが痛いときの対処法

生えかけの親知らずが痛いときの対処法

親知らずが生えかけで痛む場合、まずは冷静に対応することが大切です。

自宅での応急処置と、受診時の治療の流れを理解しておくと安心です。痛みの悪化を防ぐためにも、正しい対応を知っておきましょう。

自宅でできる応急処置

生えかけの親知らずが痛いときは、まず痛みを和らげることが必要です。

冷やすことと市販の痛み止めを使う方法が代表的です。

冷やす理由は、患部の炎症や腫れを一時的に落ち着かせるためです。氷を直接当てると皮膚にダメージが出るため、ハンカチなどで包んで10分程度ほほに当てましょう。外側から冷やすだけで、腫れの広がりを抑えることが期待できます。

また、市販の鎮痛剤を使うのも効果的です。ロキソプロフェンやイブプロフェンなど、歯の痛みに対応した成分が含まれた薬を選んでください。服用前には必ず用法用量を確認し、空腹時の使用は避けるようにしましょう。

冷やすことと痛み止めを併用することで、歯科医院を受診するまでの間に痛みを抑えやすくなります。

してはいけないNG行動

親知らずが痛むと、つい自分でなんとかしようと考えがちですが、自己判断による行動は逆効果です。特に次の2つは避けなければなりません。

1つ目は、自分で親知らずを抜こうとする行為です。専用の器具や消毒がない状態で無理に抜くと、細菌感染を起こす可能性があります。抜歯にはレントゲンや歯の位置の確認が必要であり、専門的な判断が欠かせません。

2つ目は、痛い部分を強くブラッシングすることです。清潔に保とうとする気持ちは大切ですが、強くこすってしまうと粘膜を傷つけ、痛みや腫れを悪化させやすくなります。やさしくゆすぐだけにとどめてください。

このような自己流の対応は、症状の悪化や感染の原因になりかねません。不安な場合は歯科医院に相談するのが安全です。

歯科医院での治療内容と流れ

親知らずの痛みが続く場合は、歯科医院で適切な処置を受ける必要があります。

受診の流れを知っておくと、不安を軽減しやすくなります。

最初に行うのは、口の中の視診とレントゲン撮影です。親知らずの角度や、顎の骨にどのように埋まっているかを調べます。痛みの原因が智歯周囲炎なのか、虫歯や歯肉炎なのかを診断した上で、治療方針を決定します。

炎症がひどい場合は、まず抗生物質や消炎鎮痛剤で炎症を抑えます。痛みが落ち着いたあと、必要に応じて抜歯を行います。抜歯は当日実施する場合もあれば、炎症の具合によっては後日になることもあります。

治療の際には保険証と服薬中の薬の情報を持参し、事前に相談しやすい状態にしておくとスムーズです。痛みが軽いうちに相談することが、治療を受けやすくする第一歩です。

関連記事:親知らずの抜歯後の術後ケアのポイント

親知らずの痛みに関するよくある質問(Q&A)

親知らずの痛みに関するよくある質問(Q&A)

親知らずが生えかけて痛みを感じる時、多くの方が共通して抱える疑問があります。特に、痛みの範囲や治療時期、妊娠中の対応などは、事前に知っておくと安心です。

片側だけ痛いのはなぜ?

親知らずの痛みが片側だけに出る場合は、炎症や生え方の問題が関係しています。

左右どちらか一方にしか親知らずが生えていない、または片方が歯ぐきの中に埋まった状態で炎症を起こしていることが主な理由です。

例えば、右下の親知らずだけが斜めに傾いて生えてきたケースでは、歯ぐきの一部が被さって汚れがたまり、細菌が繁殖しやすくなります。すると、智歯周囲炎という炎症が起きて腫れや強い痛みを感じるようになります。

痛みが片側だけでも放置してしまうと、反対側の噛み合わせや口全体のバランスにも悪影響が及びます。

早めに歯科でレントゲン撮影を受け、原因を明確にしましょう。

痛みが引いたら放置しても大丈夫?

痛みが一時的におさまっても、原因を解消していなければ再発する可能性があります。

親知らずによる炎症は、自然に完治することはまれで、根本の治療が必要です。

例えば、歯ぐきの一部が親知らずを覆っていると、そこに汚れが入りやすくなり、細菌の温床となります。この状態では、いったん痛みが消えても、疲労や体調の変化によってすぐに再発します。

市販の鎮痛剤で痛みが収まったとしても、歯科医の診察なしに放置するのは非常に危険です。

痛みが引いたあとでも、必ず歯科を受診し、抜歯の必要があるかどうか確認しましょう。

妊娠中でも治療できる?

妊娠中でも親知らずの治療は可能ですが、時期や治療方法には注意が必要です。

特に安定期(妊娠16週〜27週)であれば、歯科治療が比較的安全に受けられるタイミングです。

例えば、妊娠初期は胎児の器官が形成される重要な期間であり、薬の影響を避けるため積極的な治療は避けられます。また、妊娠後期は子宮が大きくなり、長時間の治療姿勢が母体の負担になります。

必要に応じてレントゲン撮影や抗生物質の処方が行われる場合もありますが、妊娠中に使用できる種類が限られるため、必ず妊娠中であることを最初に伝えてください。

痛みが強い場合も、自己判断で我慢せず、歯科医に相談しましょう。

まとめ|親知らずが生えかけて痛いと感じたら、早めに歯科へ

最後に、親知らずが生えかけで痛む原因や対処法についてまとめておきます。

  • 親知らずの痛みは、顎のスペース不足や炎症が主な原因
  • 放置すると智歯周囲炎や虫歯、歯並びの乱れを招く
  • 自宅では冷やす・痛み止めを使うなど応急処置が有効
  • 痛みが引いても歯科受診は必要。妊娠中も治療は可能
  • 歯科ではレントゲン診断と抗炎症処置、抜歯などを行う

もし親知らずの痛みや違和感がある場合は、自己判断せず、早めに歯科を受診しましょう。炎症や虫歯が進行する前の対応が、将来的なリスクを防ぎます。

親知らずの痛みは、軽く考えると大きな問題に発展する可能性があります。日常のケアと適切な受診で、口腔の健康を守っていきましょう。

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当院、医療法人歯科ハミールの分院も、今後共よろしくお願いいたします。

 この記事を書いた人

デンタルオフィス虎ノ門 院長 柳瀬賢人

デンタルオフィス虎ノ門 院長 柳瀬賢人

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