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デンタルオフィス虎ノ門 | 院長ブログ

2026年1月24日

親知らず抜歯後の穴はいつふさがる?対処と受診目安

「親知らずを抜歯した後の穴は本当にふさがるの?」
「食べかすが詰まっても平気?」
そんな不安を抱えている方も多いでしょう。

抜歯後の穴(抜歯窩)は数週で歯ぐきが覆い、内部の骨は数か月かけて回復へ進みます。直後にできる血餅(けっぺい)がかさぶたの役割を担い、外的刺激や細菌から創面を守りながら、肉芽、仮骨、成熟へと段階的に置き換わるためです。

押さえるべき要点は、強いうがいを避けることとやさしい清掃です。親知らず抜歯後の穴の経過には個人差がありますが、目安を知れば過度な心配は抑えられます。

この記事では、親知らず抜歯後にできる血餅や違和感がある場合の対処法、受診の目安を解説します。

親知らずを抜くか検討している方や抜歯後の対処法に悩んでいる方は、ぜひ読んでみてください。

ボタン30秒

親知らず抜歯後の穴はなぜできる?ふさがるまでの流れ

ふさがるまでの流れ

親知らずを抜くと歯が収まっていた部分に「抜歯窩」という穴が残ります。治癒は血餅の安定から始まり、肉芽、仮骨、成熟の順に内部が満たされます。

ここでは、血餅と歯茎の治癒の基本から自然経過の目安までを説明します。

血餅(けっぺい)と歯ぐきの治癒の基本

血餅は、抜歯直後に穴を満たす血の塊です。かさぶたの役割を担い、骨と神経の露出を覆います。

細菌や外力から創面を守り、酸素や栄養を届ける足場にもなります。血餅が外れると痛みが強まり、治癒が停滞しやすくなってしまいます。

初週は強いうがいを避け、舌や指で触れないでください。処方薬は指示どおりに内服し、やさしい清掃で清潔を保ちましょう。

見た目と内部の変化については以下の表を参考にしてみてください。

時期見た目の目安内部の変化
0〜2日暗赤〜黒の血餅血餅が創面を保護
3〜7日白い膜で覆う肉芽が増える
2〜4週凹みが浅い仮骨が形成
1〜1.5か月表面が平坦化骨の成熟が進行
3〜6か月形が安定骨密度が回復

血餅は数日で肉芽に置き換わります。黒っぽい色から白い膜へ変わっても、多くは体が治る途中で起きる変化です。判断に迷う場合は、写真や症状メモを用意し、早めに歯科医院へ相談してください。

血餅の変化や肉芽、骨片の可能性

親知らず抜歯後にできる穴は経過中に赤褐色から白っぽい膜へ変わります。これはフィブリンや壊死膜が混在しながら、肉芽に置き換わるためです。

縁に小さな骨片が触れることもありますが、多くは自然排出します。強い痛みや腫れ、悪臭が出る場合は受診で確認しましょう。

  • 白い膜:フィブリンや壊死膜の可能性
  • 黒く見える:安定した血餅の色調
  • 小骨片:自然排出が多い
  • 受診の目安:強痛や悪臭、発熱の出現

膜は無理に除去しないようにしてください。物理刺激で血餅が失われると、痛みが再燃しやすいためです。

洗口は弱め、回数を分けて負担を減らしましょう。臭いや味の変化は一過性もありますが、増悪する場合は早めに歯科医院へ相談してください。

下顎と上顎や完全埋伏などの治癒に影響する要素

親知らず抜歯後の穴の治癒速度は歯の位置や埋伏の深さ、骨の切削量、血流、生活習慣で変わります。

下顎は解剖学的に経過が長引く傾向があります。喫煙や飲酒、清掃不良、全身状態も影響します。術後は歯科医師の指示に従い、睡眠と栄養の確保が安定した回復の近道です。

影響しやすい要素は以下のとおりです。

  • 下顎や深い埋伏、骨切削量が多い症例
  • 喫煙や飲酒、清掃不足
  • 糖尿病などの全身疾患
  • ストレスや睡眠不足、栄養低下

要因が重なると、見た目の回復より内部の治癒が遅れやすくなります。痛みが増したり腫れが広がったりする場合は、時期に関係なく歯科医院へ相談しましょう。

ブヨブヨ感が出る時期と自然経過の目安

2週前後にやわらかい「ブヨブヨ感」を覚える場合があります。増えた肉芽の触感で、圧痛が軽く出血がないなら多くは自然経過内です。

見た目のへこみは1〜1.5か月で目立ちにくくなり、骨は3〜6か月で密度が整います。

自然経過のサインは以下のとおりです。

  • 日ごとに痛みが軽い
  • 臭いが弱まる
  • 食事が取りやすい
  • 出血が止まっている

相談したいサインは以下のとおりです。

  • 悪臭と拍動痛の増悪
  • 38.0℃以上の発熱
  • 顔の腫れの拡大と開口障害

感覚だけで判断が難しいときは、写真や症状メモを添えて歯科医師へ相談してください。早期の洗浄や薬の調整で、回復の停滞を避けやすくなります。

親知らず抜歯後の穴が見える場合と見えない場合

親知らず 抜歯 穴 見える

親知らず抜歯後の穴の見え方は、縫合の有無や創縁の寄せ方で変わります。見えないから順調とも、見えるから遅いとも限りません。痛みの推移や臭い、腫れの広がりなど、症状の組み合わせで判断しましょう。

ここではケース別の見え方と確認ポイント、受診の考え方を整理します。

縫合ありで穴が見えにくいケース

縫合で歯ぐきを寄せると、表面の穴は小さく見えます。そのため内部の治癒は同じ流れで進むため、見た目だけで安心はできません。糸の周囲に食片が溜まりやすく、糸刺激で軽い違和感が出る場合もあります。

以下のようなやさしい清掃と指示どおりの受診で経過を整えましょう。

  • 糸まわりは柔らかいブラシで短時間清掃
  • 強く引っ張らず、鏡で位置を確認
  • 就寝前は軽い洗口を追加
  • 糸が緩む、刺入部が赤い場合は歯科医院へ連絡

糸は抜糸までの一時的な固定材です。少し白っぽい膜や軽い違和感は経過内の変化に入るでしょう。拍動痛が強い、悪臭が増す、発熱を伴うといった変化は早めに歯科医院へ相談してください。無理をせず、定期の抜糸時にも症状を伝えましょう。

穴が大きく見えるケースでのセルフチェック

創縁を寄せにくい症例や深い抜歯窩では、穴が大きく見えます。黒から褐色は安定した血餅の色である場合が多いです。見た目に振り回されず、症状の経時変化に注目しましょう。

以下が経過観察と受診の目安です。

  • 日ごとに痛みが軽い:経過観察で可
  • 3日後も腫れ増強:早めに歯科医院へ相談
  • 悪臭や味の悪化が持続:洗浄を検討
  • 38.0℃以上の発熱や開口障害:至急歯科医院へ連絡

強くうがいして血餅を外すと、痛みが再燃しやすいです。当面は弱い洗口を回数で補いましょう。食片停滞が続くときは、低圧の洗浄器具を歯科医師の指示に沿って使用してください。判断に迷う場合は写真や症状メモを添えて受診するのがおすすめです。

「詰め物」をするかしないかの考え方

原則は自然治癒で浅くなっていきます。ただし、清掃が難しい、食片停滞で不快が続く、痛みが長引く場合に一時的な保護材や充填で清掃性を補助する選択肢もあります。

診察で窩の形や炎症所見を見て、可否を決めていきましょう。

選択肢向く状況注意点
自然経過痛みが軽く日々改善清掃と洗口を継続
一時保護材食片停滞が反復飲食で脱落しやすい
洗浄のみ臭いと停滞が主訴低圧で頻回に実施
充填処置清掃性の改善が必要医師判断で一時的に使用

保護や充填はあくまで補助です。根本は血餅から肉芽、仮骨への置換です。処置後も清掃と通院を続けると、トラブルを抑えやすくなります。強い痛みや腫れ、悪臭がある場合は、時期に関係なく受診してください。

親知らず抜歯後の穴に食べかすが入ったときの対処

食べかすが入ったときの対処

抜歯後しばらくは、穴に食べかすが入りやすくなります。多くは唾液や舌の動きで自然に外へ出ますが、強いうがいで血餅が外れると痛みが増えやすいです。無理に触れず、弱い洗口と低圧の洗浄で整えましょう。

うがいのコツとタイミング

初週は血餅を守る時期です。うがいは勢いではなく頻度とやさしさを意識しましょう。

まず当日は「含んで静かに吐き出す」だけで十分です。翌日からは弱めのブクブクへ移行し、食後と就寝前に短時間で整えます。温度は常温からぬるま湯がよいでしょう。

タイミング方法回数・時間注意点
術当日口に含み静かに吐く1回数秒強い動きは避ける
2日目以降(食後)弱いブクブク10秒×1〜2回勢いより回数
就寝前弱いブクブク10秒×1回ぬるま湯が安全

強いうがいは血餅ごと洗い流してしまう恐れがあります。熱い飲食の直後はうがいを控え、30分ほど置きましょう。刺激の強い洗口液は、初週は薄めて使うと安心です。

洗浄器具の使い方

シリンジや低圧の口腔洗浄器は、血餅が安定してからが安全です。目安は術後3〜7日ごろです。先端を創面へ当てず、穴の縁をなぞるイメージで弱い水流を当てましょう。温度はぬるま湯が適します。

  • 使用は術後3〜7日頃から開始する
  • 痛みが軽い時ときにする
  • 圧は弱く設定し、先端は触れさせない
  • 1回30〜60秒、基本は食後のみにする
  • 血がにじむ、痛みが増すときは中止する

使いすぎは刺激になります。迷う場合は中止し、受診で洗浄の可否と手順を確認してください。写真やメモがあると説明が伝わりやすいです。

綿棒や尖った器具で触らない理由

親知らずの抜歯後にできた穴は気になるでしょう。しかし見た目が気になっても、器具で掻き出すと創面へ直に刺激が入ってしまいます。血餅が外れ、痛みや出血が再燃しやすくなります。微小な傷は細菌の入口にもなるため注意しましょう。

血餅の剝離リスクは以下のとおりです。

  • 微小外傷からの感染の恐れがある
  • 痛みや出血が再燃する場合がある

器具での自己処置は避け、弱い洗口で様子を見ましょう。臭いが増す、味が悪い、腫れが広がると感じたら早めに歯科医院へ相談してください。

食べかすが取れないときに受診を検討するサイン

親知らず抜歯後の穴は深くなる場合があります。その際に食べたものが穴に詰まる場合があります。食べかすはうがいや時間経過で流れることが多いですが、弱い洗口と低圧洗浄でも残る、臭いが強い、味の悪化が続く場合は受診を検討しましょう。

発熱や開口障害、顔の腫れの拡大は早めの連絡が目安です。無理な自己処置を続けるより、診察で洗浄と保護を受けた方が安全です。

受診の目安は以下のとおりです。

今すぐ連絡

  • 38.0℃以上の発熱
  • 顔の腫れの拡大・開口障害
  • 洗浄で出血が増える、強い痛みへ悪化

早めに相談

  • 悪臭やまずい味が数日続く
  • 腫れが3日以降も増す
  • 痛み止めが効きにくい

経過観察で可

  • 日ごとに痛みが軽い
  • 臭いが弱まっている
  • 食事が取りやすい
  • 出血が止まっている

弱い洗口と回数の調整で改善するなら経過観察で足ります。迷う場合は、写真やメモを用意し連絡してください。診療側で状態を把握しやすくなります。

親知らず抜歯後の症状別の受診目安と持ち物

受診の目安

抜歯後は、日ごとに痛みと腫れが軽くなる流れが一般的です。反対に、発熱や強い拍動痛、顔の腫れの拡大などは注意してください。

ここでは迷いを減らすために、連絡の緊急度ごとに目安を整理します。自己判断で処置を強めず、合図が出たら受診へ切り替えましょう。

症状別の受診の目安

抜歯後の判断は、見た目より症状の推移で考えましょう。痛みや腫れが日ごとに軽くなるなら多くは順調です。反対に、発熱や拍動痛、腫れの拡大は早めに歯科医院へ連絡することをおすすめします。

以下の表は、受診の目安です。

優先度具体的なサイン行動の目安
今すぐ連絡・38.0℃以上の発熱がある
・顔の腫れが急に拡大する
・開口障害が悪化する
・強い拍動痛が持続する
・洗浄で出血が増える
・膿が多量に出る
時間帯を問わず連絡し、指示に従う
早めに相談・腫れが3日以降も増加する
・悪臭やまずい味が持続する
・痛み止めが効きにくい
・食片停滞の反復する
・糸まわりの強い発赤がある
当日〜翌営業日に連絡し、受診日を決める
経過観察で可・日ごとに痛みが軽い
・臭いが弱まる
・出血が止まり安定する
・食事が取りやすい
・うがいでしみない
自宅ケアを継続する逆行したら上位へ切り替える

受診の判断に迷うときは、無理に自己処置を続けないようにしましょう。写真や体温の記録、痛みの推移をメモし電話で症状を簡潔に伝えると案内が円滑です。夜間や休日も「今すぐ連絡」に当てはまれば、ためらわず相談してください。

受診の際の持ち物

受診を円滑に進めるには、情報を簡潔に提供する準備をするのが得策です。手術日からの症状の流れや薬の内服状況、体温の記録があるだけで判断は速くなります。腫れの範囲は写真で記録しておくとよいでしょう。迷う点はメモ化して、受付時に渡すと伝達がぶれません。

以下を参考に、受診前に確認してみてください。

  • お薬手帳と処方内容の控え
  • 手術日と症状の推移メモ(痛みの強弱や時間帯)
  • 最高体温の記録
  • 腫れや創部の写真
  • 保険証
  • 紹介状
  • 同意書
  • 使用中の市販薬やサプリの一覧

持参物に抜けがないと、問診と診察がスムーズに進みます。薬の残数や実際の服用回数も伝えると、調整が行いやすいです。写真やメモはスマートフォンで十分です。受付で提示し、気になる症状の優先度を再確認しましょう。

よくある質問と回答

QA

親知らずの抜歯後は痛みや発熱があり不安になるでしょう。ここでは、よくある質問にお答えします。

穴の奥の白いものは何?

多くはフィブリン膜や肉芽、薄い壊死膜が白く見えます。これは異常な症状ではなく、血餅が置き換わる途中で白い膜が創面を覆うためです。

ただし強い痛みや悪臭、発熱があれば感染も疑われるため、迷ったら早めに相談してください。

食べかすが取れないときに綿棒や爪楊枝で取っても良い?

食べかすが気になっても綿棒などは使わないようにしましょう。先端の刺激で血餅が外れ、出血や痛み、感染のリスクが上がってしまいます。

弱い洗口から低圧洗浄の順で対応して様子をみましょう、それでも残る場合には歯科医院を受診してください。

抜歯後3日目からズキズキするのはドライソケット?

ドライソケットの可能性があります。血餅が失われ骨が露出すると、自発痛が強く、鎮痛薬が効きにくいことがあるためです。

早めの受診で洗浄や保護材の処置を受けると、経過を整えやすいでしょう。

親知らず抜歯後は詰め物はした方が良い?

原則不要です。肉芽と新しい骨で自然に浅くなっていくためです。

食片停滞や清掃の困難が続くなら、一時保護材や充填を診察で検討しましょう。

口臭やまずい味が続くときの相談のタイミングは?

口臭やまずい味が数日続く、悪化する、発熱を伴う場合は早めに歯科医院へ連絡してください。食片停滞や感染が背景にあることがあります。

舌清掃と弱い洗口で軽快すれば経過観察も可能ですが、心配な時間を過ごすより受診しましょう。

まとめ|親知らず抜歯後は安静に過ごそう

親知らずを抜いたあとは、血餅が治癒の起点になります。初週は強いうがいを避け、舌や指で触れないよう意識しましょう。処方薬は指示どおり内服し、就寝前は軽い洗口で清潔を保つように心がけてください。飲酒や喫煙、長風呂は腫れと出血を招きやすいため控えましょう。

食事は麻酔が切れてから、柔らかく刺激の少ないものへ徐々に移行します。反対側でゆっくり噛み、熱い飲食は少し時間を置いてから食べるようにしてください。数週で歯ぐきは覆い、骨は数か月で整います。見た目だけで焦らず、日ごとの軽快に着目しましょう。

38.0℃以上の発熱や顔の腫れの拡大、開口障害、強い拍動痛、まずい味や悪臭の悪化、洗浄での出血増加は歯科医院へ相談が必要なサインです。自己処置を強めるより、早めに受診しましょう。

不安や心配は口内環境だけでなく、心身にも負担になるため、安静を心がけ、心配事があれば歯科医院へ相談してみてください。

ボタン30秒

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当院、医療法人歯科ハミールの分院も、今後共よろしくお願いいたします。

 この記事を書いた人

デンタルオフィス虎ノ門 院長 柳瀬賢人

デンタルオフィス虎ノ門 院長 柳瀬賢人

所属学会・勉強会

経歴

出身高校

  • 愛知県立明和高等学校

柳瀬賢人 – Wikipedia

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