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デンタルオフィス虎ノ門 | 院長ブログ

2025年12月16日

親知らず抜歯の翌日の症状と過ごし方

「親知らずを抜いた翌日の過ごし方が分からない……」
「何を食べればよいか不安……」
そのような悩みを抱える方は少なくありません。

抜歯の翌日は痛みや腫れが出やすく、不安定な時期です。抜歯創の炎症反応が進み、血餅(けっぺい)が安定する途中段階のためです。

対策としては、安静と短時間の冷却、強いうがいを避けた清掃、やわらかい食事の徹底です。復帰時期は仕事内容で変わるため、無理をしない判断が大切でしょう。

この記事では、翌日に起こりやすい症状の目安と、食事・清掃・入浴や運動の注意点を分かりやすく説明します。

要点を押さえ、翌日を落ち着いて過ごしましょう。

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親知らず抜歯の翌日に起こりやすい症状の目安

親知らず抜歯の翌日 起こりやすい症状の目安

抜歯の翌日は炎症が進み、血餅が安定する途中段階です。多くの方に痛みや腫れ、にじむ出血、口の開きの一時的な低下が見られるでしょう。

個人差はありますが、流れを理解すると不安の軽減に役立ちます。翌日に起こりやすい変化の目安と、受診を考えたい注意サインを順にご説明します。

痛み・腫れ・出血・開口の変化

抜歯翌日の痛みは中等度が目安です麻酔が切れる頃から増え、夜に強まる場合があります。処方薬を決められた間隔で早めに使うと、山を越えやすくなるでしょう。

腫れは翌日から2日目前後で増え、その後ゆっくり減ります。冷却は10〜15分を目安に間欠的にしてください。

にじむ出血は、翌日まで見られる場合があります。ガーゼを15〜20分噛み、強いうがいは控えましょう。ストローは陰圧で血餅が外れやすくなるため避るようにしてください。

開口は一時的に狭くなります。無理な開閉は控え、翌日以降に軽いストレッチを検討しましょう。創部は触れないことを前提で進めてください。

正常範囲と注意サイン

翌日にみられやすい正常範囲は、軽〜中等度の痛み、翌日までのにじむ出血、軽い開口制限です。腫れは2日目前後を山に、その後徐々に落ち着く流れが多いです。

一方で、以下のサインが続くときは、早めの連絡や受診を検討しましょう。

  • ガーゼ圧迫で止まらない出血
  • 悪臭や嫌な味を伴う強い痛み
  • 38℃以上の発熱や悪寒の持続
  • 数時間で急に広がる腫脹
  • 口がほとんど開かない、嚥下のつらさ

一つでも当てはまる場合、自己判断に頼らず相談することをおすすめします。症状の変化が夜間に急に強まる、鎮痛薬で抑えにくい場合も一つの目安になります。

親知らず抜歯の翌日のセルフケア

親知らず抜歯翌日 セルフケア

抜歯の翌日は、血餅を守りながら清潔を保つ日です。強いうがいや熱い飲食は避け、やわらかい食事と短時間の冷却を意識しましょう。

歯磨きは患部を避け、入浴や運動は軽めにとどめます。以下で、食事や清掃、生活面の具体策を順に説明します。

食べやすい食べ物と避けたい食べ物

翌日は創部を揺らさず、血餅を守る食事が基本です。常温からぬるめで、舌でつぶせる硬さが目安です。

反対側で小さく噛み、ゆっくり飲み込みます。栄養と水分は、少量を回数で補いましょう。麻酔の名残がある間は頰や舌を噛みやすいため、急がず落ち着いて摂取してください。

以下が食べやすい食べ物の具体例です。

  • おかゆ・雑炊
  • ポタージュ・スープ(ぬるめ)
  • ヨーグルト・プリン
  • 茶わん蒸し・スクランブルエッグ
  • 絹豆腐・温奴
  • バナナ・完熟アボカド
  • 白身魚のほぐし身
  • プロテインゼリー

温度は熱すぎない範囲に調整します。繊維が長い具材は細かく刻むと安心です。食後はぬるい塩水でそっと口をゆすぎ、ぶくぶくうがいは避けてください。

食片が入りやすいときは一時的にスープ中心へ切り替えましょう。痛みが強い日は無理をせず、摂りやすい形に寄せます。

避けたい食べ物の具体例

  • 激辛料理・香辛料の強い料理
  • 炭酸飲料・アルコール
  • せんべい・ナッツ・ポップコーン
  • フランスパン・硬い肉塊
  • 揚げ物・衣の厚い惣菜
  • 酸味の強い柑橘・酢の物
  • キャラメル・餅・ガム
  • ストローでの飲料摂取

辛味や酸味などの刺激や高温は痛みや出血を助長しやすいです。硬く尖りやすい食品は創部を傷つける恐れがあります。また、粘着性の高い物は創部に絡みやすく、除去で血餅が乱れてしまう可能性があるため、避けましょう。迷う場合は、やわらかくぬるめのものを少量摂取すること選んでください。

歯磨き・うがい・口腔清掃

親知らず抜歯後の4時間は強いうがいを控え、翌日はぬるい塩水で軽く口をゆすぐ程度にしましょう。

洗口剤は低刺激の物を少量で使い、しみる時は中止してください。歯磨きは患部を避け、他の歯を短いストロークでやさしく磨きます。毛先が創部に当たらないよう持ち方を調整し、舌や指で創部に触れない習慣を意識しましょう。

入浴・運動・飲酒・喫煙

長風呂やサウナは避け、短時間のぬるめ入浴にとどめます。温めすぎることで血流が増え、出血や腫れが強まりやすいためです。

激しい運動や重い作業は控えましょう。散歩など軽い動きは体調をみて少しずつ行うようにしてください。ふらつきに備え、急な立ち上がりは避けることをおすすめします。

飲酒は炎症を助長しやすく、喫煙は血餅脱落の要因になります。少なくとも48〜72時間は控え、回復の妨げにならない過ごし方を選びましょう。

仕事・学校はいつから?翌日の復帰判断

翌日の復帰判断

翌日の復帰は、仕事内容と症状の組み合わせで決めていきます。痛みが落ち着き、持続的出血がないことが前提です。

腫れは2日目前後で強まりやすいため、仕事での面談や長時間の会議は避けると安心です。

無理をすると悪化しやすいため、短時間から段階的に再開しましょう。迷うときは休みの確保を優先してください。

デスクワーク・接客・重労働での目安

翌日の復帰は、痛みの強さや出血の有無、腫れの目立ち方で判断します。腫れは2日目前後に強まりやすいため、人前に立つ業務や長時間の集中作業は負担になりがちです。

再開は短時間から段階的に進めましょう。途中で痛みが増す場合は、すぐ中断できる体制を準備してください。

以下の表を参考に再開の目安を決めましょう。

区分再開の目安滞在時間の目安具体的ポイント
デスクワーク翌日〜2日で可2〜4時間から・1時間ごとに休憩
・会議は短時間分割
接客・電話応対腫れ・痛みが弱いとき半日から・マスク着用
・発声少なめの配置に変更
重労働・屋外作業2〜3日休養後軽作業で半日・持ち上げや前屈を回避
・こまめに水分補給
運転を伴う業務眠気の副作用なし症状安定後・鎮痛薬の影響を確認
・短距離から再開

持続的出血や拍動痛、発熱、急な腫脹拡大がある場合は復帰を遅らせてしまいます。外出前に鎮痛薬の切れ目が生じない時間割を組み、移動は余裕を持って計画しましょう。判断に迷う時は、休養を優先してください。

マスク・冷却・鎮痛薬の併用と通勤時の注意点

通勤時はマスクで保温し、会話は最小限に抑えます。冷却は保冷剤をタオルで包み、10〜15分の間欠使用がおすすめです。

鎮痛薬は切れ目を作らない計画が有効です。外出前に内服し、次回の服用時刻をメモします。眠気の出る薬では運転や危険作業を避けてください。

階段の昇降はゆっくり行いましょう。長距離移動は休憩を挟みます。水分を少量ずつ摂り、顔の圧迫や創部への刺激が強いマスクは避けましょう。

親知らず抜歯の翌日の薬と冷却の使い方

翌日の薬と冷却の使い方

翌日は、痛みを抑えつつ血餅を守る配慮が必要です。薬は処方内容に合わせ、間隔と回数を厳守します。冷却は短時間の反復で腫れの負担を軽くしましょう。

温めは血流が増えやすいため、この段階では避けてください。

以下で、内服のタイミングと冷やし方の目安を整理します。

鎮痛薬の服用タイミングと注意

麻酔が切れる前後から、指示に沿って早めに内服しましょう。空腹で胃が重い方は食後に切り替えてください。外出前は次の服用時刻をメモに残すと安心です。

追加で市販薬を重ねる判断は避けましょう。眠気の出る薬では、運転や高所作業を控えます。発熱や痛みが強く続く場合は、自己調整をせず連絡してください。

冷やし方の目安と温めNGの理由

保冷剤や濡れタオルを頰に当て、10〜15分冷却し、しばらく休むを反復します。肌に直当てせず、薄手の布で包みます。就寝中の連続冷却は避けましょう。

温めは血管が広がり、出血や腫れが増えやすくなってしまいます。翌日は長風呂やサウナを控え、入浴は短時間で終了させてください。体が火照ったら、室温で安静に戻しましょう。

親知らず抜歯後の要受診の目安

受診の目安

翌日の経過は多くが生理的な反応ですが、早めの連絡が安心につながる場面があります。出血が続く、拍動する強い痛みがでる、発熱や急な腫れの拡大などは見逃してはいけないサインです。

以下に、受診を考えたいサインと対応の目安を整理します。

血餅がない・拍動痛が強い・口臭・味覚異常が続く場合

親知らず抜歯の翌日に血餅が見えない、拍動する強い痛みが続く、悪臭や嫌な味が増すなどの組み合わせは、乾燥症窩や感染のサインになりえます。

創部を触る行為や強いうがいは、血餅の脱落につながりやすいです。判断に迷う時は、刺激を避けて様子をみつつ、記録を取りながら早めに相談してください。

サイン想定される原因の目安自宅での一次対応受診・連絡の目安
血餅が見えない・白い面が露出乾燥症窩の可能性・口を強くすすがない
・ストロー中止
・痛みが増す
・24時間で改善しない時は連絡
拍動する強い痛み(夜間増悪)炎症進行・感染の可能性・冷却を10〜15分間欠
・鎮痛薬を指示通り
・鎮痛薬で抑えにくいときは当日中に相談
悪臭・嫌な味が続く血餅乱れ・食片停滞・やさしい洗口(ぬるい塩水)
・創部へ器具を入れない
・1〜2日で変化が乏しいときは受診
持続的な出血血餅安定不全・清潔なガーゼを15〜20分圧迫・圧迫2回でも止まらないときは至急連絡

強い痛みと腫れが同時に拡大する、38℃以上の発熱が続く、嚥下や開口が急に悪化する場合は、当日中の連絡が安心です。

薬の自己追加は避けてください。服用中の薬剤名、発症時刻、痛みの変化をメモに残すと、評価と助言がスムーズになります。

抗生剤内服中の発熱・腫脹拡大時の対応

抗生剤を飲んでいても、38℃以上の発熱や腫れの拡大が続く場合は再評価が必要です。頰の腫れが眼や首へ及ぶ、飲み込みや開口が急に悪化する場合は当日中の連絡を優先してください。

内服は指示通り継続し、発疹やかゆみ、息苦しさなどのアレルギー症状が出たら直ちに中止して歯科医院へ連絡してください。冷却は10〜15分の間欠で行い、移動時は無理のない姿勢と水分補給を意識しましょう。

親知らず抜歯後の翌日のケース別の経過の違い

翌日のケース別 経過の違い

親知らず抜歯の翌日の症状は、「年齢」「手術の難易度」「縫合の有無」で変わりやすいです。骨を削った手技や歯根形態の複雑さがあると、痛みや腫れは強まりやすい傾向にあります。縫合なしでは、血餅の保護が重要度を増します。

以下で翌日の着眼点と過ごし方の目安を整理しましょう。

骨を削った・歯根が変形していた場合の目安

骨削除や複雑な歯根では、翌日の痛みや腫れが強まりやすい傾向です。夜間にぶり返す痛みも出やすいでしょう。焦らず、冷却と内服を軸に経過を見守ってください。

経過観察で様子見のサイン

  • 痛みが鎮痛薬で概ねコントロール
  • 腫れがゆっくり増減し大幅変化なし
  • にじむ出血が圧迫で止まる
  • 口の開きが少しずつ改善傾向
  • 体温が37.5℃未満で安定

受診・連絡を推奨するサイン

  • 鎮痛薬で抑えにくい拍動痛
  • 数時間単位で腫れが急拡大
  • ガーゼ圧迫2回でも止まらない出血
  • 口臭・嫌な味の持続や白い露出面
  • 38℃以上の発熱や悪寒、嚥下悪化

10〜15分の間欠冷却をおすすめします。長風呂やサウナ、飲酒、喫煙は避けてください。食後はぬるい塩水で軽く洗口し、創部への接触はしないようにしましょう。

縫合なし・抜糸まで来院不要と言われたときの注意点

縫合なしでは、血餅の安定が要となります。強いうがい、ストロー、創部への接触は避けます。やわらかく、ぬるめの食事で負担を減らしましょう。

経過観察で様子見のサイン

  • にじむ出血が短時間で収束
  • 痛みが日ごとに緩やかに低下
  • 口の開きが少しずつ前進
  • 体調に大きな変動なし
  • 悪臭や味の違和感が軽快傾向

受診・連絡を推奨するサイン

  • 血餅が見えず露出面が持続
  • 拍動する強い痛みや夜間増悪
  • 圧迫でも止まらない出血
  • 強い口臭や味の異常の持続
  • 発熱や腫れの急拡大、嚥下悪化

順調なら次回は抜糸時の確認で十分な場合があります。迷いがあれば早めに連絡し、判断を仰ぎましょう。

よくある質問と回答

QA

翌日の不安や疑問に、よくある質問で短く答えます。症状の幅は広いです。迷ったら無理をせず連絡してください。自己判断で薬を足す行為は避けましょう。

少量の出血は普通?

唾液がうすく赤かったりにじむ出血があったりと翌日まで残りやすいです。清潔なガーゼを15〜20分噛んで様子をみます。強いうがいは避けましょう。

圧迫で止まれば多くは経過観察で足ります。圧迫を2回行っても止まらない、真っ赤な出血が続く場合は早めに連絡してください。

上の親知らずで翌日に痛みが弱いことはある?

上顎は下顎より腫れや痛みが穏やかに出る例があります。翌日は違和感中心で済む場合もあります。

ただし個人差が大きいです。痛みが夜に増す、拍動が強い、発熱を伴う場合は早めに相談してください。

抜歯した歯とは反対側なら何食べてもOK?

反対側で噛んでも、硬い物や熱い飲食は創部に負担をかけやすいです。翌日はやわらかく、ぬるめを選びましょう。

せんべい、ナッツ、フランスパン、激辛料理、炭酸は控えます。食後はぬるい塩水で軽くゆすぎ、ぶくぶくうがいは避けてください。

翌日の消毒は必要?

症状が安定していれば、翌日の対面受診を省略する運用もあります。指示どおりのセルフケアで十分な例もあります。

持続的出血、拍動痛、発熱や腫れの急拡大があれば、日中でも連絡してください。来院の要否は電話でも判断しやすいです。

鎮痛薬はどんな痛みのときに飲む?

麻酔が切れる前後から、強くなる前に内服すると安定しやすいです。外出前は切れ目が出ない時間割を作りましょう。

加えて、次のような場面を目安にしてください。

  • 夜間のズキズキする拍動痛で眠りにくいとき
  • 会話・咀嚼・うつむく動作で痛みが増すとき
  • 冷却10〜15分×数回でも和らがないとき

一方、安静時に消える違和感から軽い鈍痛は様子見でもよいでしょう。内服後は間隔と回数を厳守し、自己判断の重ね飲みは避けましょう。アセトアミノフェン配合薬の重複に注意し、胃が弱い方は食後に内服してください。

まとめ|親知らず抜歯の翌日は安静にして経過をみよう

親知らず抜歯の翌日は「安静」「冷却」「清潔」「低刺激の食事」を軸に、無理を避けて経過を見ましょう。

炎症が進みやすく、血餅が安定する途中段階で負担が症状を増やしやすいためです。具体的には、保冷剤を10〜15分で間欠使用、強いうがいを避け、やわらかい食事を少量ずつとることです。

デスクワークは短時間から、重労働は数日あける計画が無難です。ガーゼ圧迫でも止まらない出血、夜間に増す拍動痛、発熱や腫れの急な拡大は受診の目安になります。

翌日は無理をせず休んだり処方された薬を飲んだりして安静にしましょう。不安や迷いがあれば、早めに歯科医師へ相談してください。連絡先や受診手段を手元に置き、いつでも問い合わせできる体制を整えておくと安心です。

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 この記事を書いた人

デンタルオフィス虎ノ門 院長 柳瀬賢人

デンタルオフィス虎ノ門 院長 柳瀬賢人

所属学会・勉強会

経歴

出身高校

  • 愛知県立明和高等学校

柳瀬賢人 – Wikipedia

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