- 「歯ぎしりで顎が痛いのを防ぐ方法が知りたい!」
- 「歯ぎしりの予防方法を知りたい!」
このような悩みを解決できる記事となっています。
ご紹介する「歯ぎしりで顎が痛いのを防ぐ方法」を読めば、あなたの悩みを解消できます。
まずは「歯ぎしりで顎が痛い原因」を紹介していますのでぜひ読み進めて見てください!
歯ぎしりで顎が痛い原因2選

歯ぎしりで顎が痛い原因は以下のとおりです。
- 顎関節が痛い
- 咀嚼筋が痛い
順番に解説します。
顎関節が痛い
顎関節の痛みには3パターンあります。
①顎の関節自体が変形してしまって、痛みを起こしている
②顎の関節の後部結合組織内の神経叢を圧迫して痛みが出ている
③関節円板と言われる関節内の骨と骨が直接こすり合わないようにするクッションがあるのですが、それを繋いでいる靭帯が伸びてしまい関節円板の位置がズレてしまったパターンです。
①の場合口の開け閉めをするとジャリジャリという雑音が顎関節で起きます。
③の場合はカクッという音が口の開け閉めで起きます。
あなたがどのパターンか確かめましょう!
咀嚼筋の痛い
咀嚼に使う筋の使い過ぎにより起きる筋肉の痛みです。
側頭筋、咬筋、外側翼突筋、ない側翼突筋といった咀嚼筋のすべてにおいて起こりえます。
咀嚼筋は無意識のうちに上の歯と下の歯がもっとも咬み合うところに動くようにプログラミングされていて、その咬み合わせにより筋肉の活性が変わってくることが分かっています。また、歯と歯が1日に接触している正常な時間は15分ほどなのですが、食いしばりや歯ぎしりをされているとこの時間を超えている可能性があります。
歯ぎしりで顎が痛いのを防ぐ方法3選

歯ぎしりで顎が痛いのを防ぐ方法は以下のとおりです。
- マウスピース(ナイトガード)
- 噛み合わせ調整
- 顎のストレッチを行う
順番に解説します。
マウスピース(ナイトガード)
歯よりも柔らかい材質でできているため、咬んで時に歯や顎の関節や筋肉にかかる負担が減ると言われています。
一方で柔らかすぎるマウスピースの場合、グミのような触感でもっと食いしばりたくなるため、食いしばりを助長すると言われているので、マウスピースの材質の選択も重要です。
噛み合わせ調整
当たっていそうなところの歯や被せものを削って調整します。
この方法は一度削ってしまうと元に戻せない不可逆的な治療なため、あまりお勧めできません。
明らかに被せものをしたあとから顎が痛くなったのような場合にのみ適応になるとおもいます。
顎のストレッチを行う
顎関節や咀嚼筋に痛みが出てしまうと、痛いので口を開ける量が小さくなってしまいますが、動かさなくなることでより炎症細胞が貯まり、関節の動きが悪くなると言われています。
すなわち、どんどん口が開かなくなっていってしまいます。痛くなったら、痛いのですが頑張って口の開け閉めをされた方がよいでしょう。
歯と歯が1日に接触している正常な時間は15分ほどでこれを超えている習癖をTooth Contact Habit(TCH)と言います。
集中しているときなどは食いしばったりなどの歯ぎしりをしがちなので、日常生活でも歯と歯が接触しないよう意識することも重要です。
歯ぎしりの影響

歯ぎしりの影響は以下のとおりです。
- 歯が痛くなる
- 頭痛・肩こり
- かむと痛む
- 詰め物が取れる
- 歯が割れる
順番に解説します。
歯が痛くなる
歯に負荷がかかると歯と歯が埋まっている骨を結合している歯根膜と言われる、咬む力を感知する組織が腫れて、痛みが出ることがあります。
頭痛・肩こり
咀嚼筋の痛みや顎関節付近の神経叢の痛みから、頭痛や肩こりが起きます。
かむと痛む
咀嚼筋の痛みや顎関節付近の神経叢の痛みから、咬むと痛いという症状が出ます。
詰め物が取れる
治療した歯に負荷が過大にかかると、詰め物が取れることがあります。
歯が割れる
歯に負荷がかかると歯が削れたり、欠けたり、ひびが入ったりします。
歯ぎしりの種類

一般的に歯ぎしりと言われているものと、専門的に歯ぎしりと言われているものは異なります。専門的にはブラキシズムと言われており以下の3種類があります。
- グラインディング(歯のこすり合わせ)
- クレンチング(歯の噛みしめ)
- タッピング(歯を鳴らす)
順番に解説します。
グラインディング(歯のこすり合わせ)
一般的に歯ぎしりと言われているものと同義です。歯をぎりぎりとすることです。
クレンチング(歯の噛みしめ)
歯と歯をぐっと噛みしめることを言います。
タッピング(歯を鳴らす)
歯をカチカチと咬み合わせる動きです。
グライディングは他人から指摘されたりしやすく気づきやすいですが、気づかれにくいクレンチングやタッピングも同じ歯ぎしりです。
歯ぎしりを防ぐためのストレス発散方法

歯ぎしりを防ぐためのストレス発散方法は主に以下のとおりです。
運動習慣でストレスをリリースする
ウォーキングやジョギング、ストレッチなどの軽い運動は、脳内にセロトニンやエンドルフィンといった幸福ホルモンを分泌させ、ストレスを緩和します。
特に日光を浴びながらの有酸素運動は、自律神経を整える効果もあり、夜間の歯ぎしり予防に繋がります。
日々のルーティンに組み込むことで、ストレス耐性も高まり、イライラや緊張による歯ぎしりの頻度が減少する可能性があります。
音楽やアロマでリラックスする習慣を
音楽や香りには、心身をリラックスさせる力があります。
就寝前に心地よい音楽を聴いたり、ラベンダーやカモミールなどリラックス効果の高いアロマを使用することで、神経の高ぶりを抑えられます。
歯ぎしりは無意識の緊張状態で起こりやすいため、寝る前のリラックス環境づくりが重要です。
毎日の習慣として取り入れやすく、副作用もないため、継続しやすい方法といえるでしょう。
日記やメモで気持ちを言語化する
感情を文字にする「書く習慣」は、心理的なストレスを客観視する効果があります。
日記やモヤモヤを吐き出すメモを習慣化することで、思考の整理が進み、気持ちに余裕が生まれます。ストレスが原因の歯ぎしりは、抱え込まず外に出すことがカギとなるため、言語化によるストレス発散は非常に有効です。
寝る前に5分だけでも、スマホやノートに感情を記録するのがおすすめです。
まとめ
顎が痛いという状態に対する治療法は複雑で、確立されたものがまだない分野です。
そのため、歯を削ったりといった元に戻せないような不可逆な治療より、マウスピースや筋肉のストレッチなどのような、侵襲のない治療がよいでしょう。
当院、医療法人歯科ハミールの分院も、今後共よろしくお願いいたします。
この記事を書いた人

デンタルオフィス虎ノ門 院長 柳瀬賢人
所属学会・勉強会
- MjARSの主宰(歯科医師の勉強会)
- M:ALT’s(@土屋歯科クリニック&works)所属
- SJCD(日本臨床歯科学会)会員
- ITIベーシック・アドバンス サティフィケイト
経歴
- 東京医科歯科大学 卒業
- 名古屋大学 口腔外科
- 歯周病インプラント専門医Jiads講師のもとで勤務
- 医療法人複数歯科医院勤務
- 医療法人歯科ハミール デンタルオフィス虎ノ門院 院長就任