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デンタルオフィス虎ノ門 | 院長ブログ

2025年9月20日

虫歯でこめかみがズキズキ?頭痛の原因と今すぐできる対処

「虫歯が原因でこめかみがズキズキ…この頭痛は放っておいて平気?」
「歯は痛くないのに片側のこめかみが脈打つ…何科へ行けばいい?」

虫歯や噛み合わせのずれがあると、三叉神経(さんさしんけい)や副鼻腔(上顎洞)を通ってこめかみの頭痛が起きます。

要注意の症状があればすぐに医療機関を受診し、早めの受診予約が必要です。

歯の神経の炎症は神経の道すじで側頭部へ広がり、上の奥歯の炎症は副鼻腔に広がる場合もあります。

片側だけでかむ、食いしばる癖は側頭筋をこらせ、痛みを強めます。

寝不足で日常生活に悪影響を出したくないですよね?

この記事を読めば、危険なサインの見分け方、家での対処方法、受診先の選び方がすぐ整理できます。

この記事のポイント

  • 虫歯が頭痛(こめかみ)につながるしくみ
  • 応急処置の方法
  • 悪化予防のためのケア

それでは読み進めて、今の痛みを落ち着かせる一歩を始めましょう。

ボタン30秒

虫歯でこめかみが痛い!今すぐ受診が必要?

こめかみの強い頭痛や発熱、顔の腫れなどの症状が重なる場合、早めの受診を意識しましょう。

膿のにおい、口が開かない、のみ込みにくいといった症状も警戒が必要です。

迷ったら歯科や口腔外科へ相談しましょう。

受診を急ぐサイン

危険な症状が出た場合、医療機関の受診を先延ばしにしないようにしましょう。

感染が広がると、気道や副鼻腔、顎周囲に繋がります。

痛み止めで痛みを抑えても、症状の進行は止まりません。

目安を一覧で示します。

サイン症状相談先
38℃前後の発熱歯髄炎の悪化、顎の感染歯科、口腔外科
顔や歯ぐきの腫れ根の先の膿、蜂窩織炎歯科、口腔外科
膿のにおいや排膿根尖部の膿瘍歯科、口腔外科
口が開かない咀嚼筋の炎症、顎関節周囲へ歯科、口腔外科
のみ込みにくい咽頭側への腫れ歯科、口腔外科/救急
目の痛みや視界異常副鼻腔から眼周囲へ耳鼻科、歯科

ひとつでも当てはまればすぐ受診してください。

受診前に痛みの部位や発熱、経過をメモしておくと診察が速く進みます。

放置で起きやすい症状の悪化

受診の先延ばしは、痛みや治療の負担を増やす原因です。

細菌が根の先や副鼻腔、顎周囲へ広がるからです。

たとえば、最初は冷たい物でしみるだけでも、放置すると夜も眠れないほどの自発痛になる可能性があります。

悪化が起きやすい流れをまとめます。

放置の経過起きる症状困ること
数日~1週自発痛、拍動痛睡眠不足、集中力低下
1~2週顔の腫れ、排膿食事困難、欠勤リスク
2週以降歯性上顎洞炎こめかみ、目の奥の圧痛
さらに進行顎周囲の蜂窩織炎入院、点滴が必要
高さ不良の放置こめかみ痛の慢性化咬合調整が長引く

悪化を防ぐコツは、早期受診と原因歯の治療です。

応急処置で痛みを下げつつ、早めの予約へ進みましょう。

虫歯が頭痛(こめかみの痛み)につながる理由

頭痛に繋がる理由

虫歯の炎症や噛み合わせの乱れが、三叉神経や副鼻腔、咀嚼筋を介してこめかみ痛に繋がります。

仕組みが分かると、受診の順番と対処方法を決めやすいです。

歯の神経の炎症が神経を通って広がる

歯髄炎や根の炎症は三叉神経に刺激を伝え、側頭部の関連痛として症状に出ます。

歯とこめかみの神経ルートは近く、痛みが混ざって感じられます。

たとえば冷たい飲み物でしみる、噛むと強まる、夜にうずく症状は典型的な例です。

歯を軽くたたくと響く場合も注意が必要です。

複数の症状があてはまれば、歯科で受診を受けてください。

  • 冷温でしみる
  • 噛むと増す痛み
  • 軽くたたくと響く痛み
  • 夜間のうずくような痛み
  • 同じ側のこめかみの拍動


原因となる歯の根管治療や咬合調整をおこなうと、こめかみ痛の軽減が期待できます。

上の奥歯から副鼻腔へ広がる

上の奥歯の根は上顎洞に近接しており、炎症が洞の粘膜へ広がると、こめかみや目の奥の重い痛みが出ます。

見分けやすいポイントをまとめます。

  • 片側の鼻づまり、鼻水、におわなくなる
  • 前屈やジャンプで頬が重い
  • 上の奥歯を叩くと響く
  • 片側のこめかみの鈍痛

まず歯科で相談し、必要に応じて耳鼻科にも行きましょう。

噛み合わせや食いしばりで筋肉がこる(筋緊張性)

咬合のずれや食いしばりは、側頭筋や咬筋を硬くし、血流が下がってこめかみの鈍痛を起こします。

対策は次の通りです。

  • 詰め物や被せ物の高さ調整
  • 就寝時のナイトガード着用
  • 日中は上下の歯を離す意識
  • PC作業でマイクロブレイク
  • 枕や寝具の見直し


まず歯科で咬合評価を受けてください。

必要に応じて理学療法も併用します。

関連記事:【食いしばりで歯が痛い】原因・治し方・対処法を徹底解説

参考:口腔外科相談室-顔面のトラブル 

虫歯は頭痛と関係がある?虫歯が原因のおもな病気や状態

関係ある

虫歯が進むと歯の神経や副鼻腔、噛み合わせ、歯ぐきに影響が出ます。

どういった症状があるのか、そして治療後の不具合について把握しておきましょう。

歯髄炎

歯髄炎はこめかみの頭痛につながります。

歯の神経で炎症が起き、三叉神経へ刺激が伝わるためです。

冷温でしみる段階から、噛むと強まる痛み、夜にうずく痛みへ進みます。

症状の目安は次のとおりです。

  • 冷温でしみる
  • 噛むと痛い
  • 歯をたたくと響く
  • 夜に強い痛み

治療方法として根管治療や鎮痛の見直しが必要です。

原因の歯を治せば関連痛は引きます。

歯性上顎洞炎

歯性上顎洞炎は上の奥歯の感染が上顎洞へ広がった状態です。

歯性上顎洞の粘膜が腫れ、目の奥やこめかみに重い痛みが出ます。

片側の鼻づまり、においの低下、前屈で頬が重い、といった合図がサインです。

原因の歯の治療に加え、耳鼻科で歯性上顎洞のケアもおこないます。

歯科から相談を始め、必要に応じて耳鼻科も併用してください。

噛み合わせのズレや咬合不良

咬合不良はこめかみ痛の引き金です。

詰め物や被せ物の高さが合わない、片側だけで噛むなどの理由で側頭筋や咬筋が硬くなります。

朝の顎のだるさや夕方のこめかみの鈍痛、肩や首のこりが症状に出やすいです。

咬合調整やナイトガードの着用、日中の上下の歯を離す意識、PC作業のこまめな休憩が推奨されます。

親知らずのトラブル

親知らずは周囲炎や噛み合い不全で痛みを広げます。

腫れやにおい、口が開けにくい状態が出て、奥歯からこめかみや耳へと痛みが広がります。

たとえば下の親知らず周囲の腫れやのみ込みにくい、発熱がある、といった症状です。

対策として、洗浄や治療薬の服用、炎症が落ち着いた後の抜歯などがあります。

開口障害や高熱、強い腫れが出た場合は早めに医療機関を受診しましょう。

歯周病

歯周病は出血や口臭、噛むと痛いといった症状が代表的です。

炎症が続くと噛むたびに刺激が加わり、側頭部へ鈍い痛みが広がります。

プラークと歯石が菌を増やすため、まずは歯石取りと正しい磨き方の習得から始めましょう。

間食や甘味を食べる頻度を減らす意識も必要です。

噛み合わせの負荷が強い場合は当たり具合を微調整して負担を分散させます。

治療後の不具合

治療後の違和感は一時的な症状です。

数日~1週間で軽くなる範囲の症状なら様子見で問題ありません。

強い噛みしめで高さが合わない場合、こめかみ痛や噛むたびに痛みが続きます。

発熱や腫れ、膿の排出があれば再受診を検討してください。

参考:口腔外科相談室-炎症

こめかみの頭痛は虫歯以外が原因のこともある

こめかみの頭痛は、虫歯だけが原因ではありません。

顎関節や鼻の病気、一次性頭痛、神経痛などの病気まで視野に入れて、症状の特徴で原因を見分けましょう。

顎関節症

顎関節症でもこめかみが痛みます。

噛む筋肉や関節円板に負担がかかり、側頭筋まで緊張が広がるためです。

目安は次のとおりです。

  • 朝、口が開けにくい
  • 口を開けるとカクッと音がする
  • 硬い物を食べると痛みが出る
  • 歯ぎしり・食いしばりの自覚

背景に長時間のPC作業や片側のかみ癖があるケースも多いです。

痛みが強い、口がほとんど開かない場合は早めに受診してください。

副鼻腔炎(非歯性)

非歯性の副鼻腔炎でも、こめかみや頬の重い痛みが出ます。

見分けるサインは次のとおりです。

  • 片側または両側の鼻づまり
  • 黄緑の鼻汁、においの低下
  • 前屈で頬が重い
  • 上の奥歯の叩打痛が弱い


数日たっても改善せず、発熱や目の周りがの腫れが出る場合は耳鼻科へ。

歯との関わりが不明なら、歯科と耳鼻科の両方で評価するのが最善策です。

片頭痛や緊張型頭痛

片頭痛では片側のズキズキとした痛みが出ます。

光や音がつらい、吐き気などの症状も出る可能性があります。

階段の上り下りで強くなる点も特徴です。

緊張型頭痛は締めつけられるような重さで、首肩のこりと同時に出やすいです。

長時間の同じ姿勢での作業や睡眠不足、ストレスが原因です。

片頭痛がひどい場合は医療機関の受診を検討してください。

三叉神経痛

三叉神経痛は鋭い痛みが数秒~数十秒、顔に走ります。

歯みがき中や洗顔、会話、風が当たるだけで誘発される点が特徴です。

歯の検査で異常が乏しいのに激痛が続く場合は神経内科を受診してください。

自己判断での抜歯は避け、原因の見極めを優先しましょう。

関連記事:歯が痛いのに虫歯以外?原因と対処法をわかりやすく徹底解説!

参考:日本歯科医師会-顎関節症

虫歯で頭がいたい?応急処置の方法

受診までの痛みを安全に抑えるコツをまとめます。

冷却、刺激回避、痛み止めの使用で悪化を防ぎましょう。

冷やし方・刺激を避けるコツ

まず頬の外側を冷やすと楽になります。

氷嚢や保冷剤は薄いタオルで包み、15分冷却→15分休憩を交互に繰り返します。

歯や歯ぐきへ直接の氷当ては避けてください。

血流が増えると痛みが強まるため、熱い飲み物や長風呂は控えます。

刺激物も距離を置くと安心です。

  • 片側の頬の外側を冷却
  • 氷はタオルで包む
  • 15分ごとに休憩
  • 熱い飲食を避ける
  • 辛味や酸味、甘い炭酸を控える
  • アルコールや喫煙を控える
  • 就寝時は頭を少し高くする
  • 痛む側で噛まない


歯みがきとぬるま湯うがいで口内の清潔を維持しましょう。

痛み止めの使い方

市販薬は用量や間隔、上限回数を守れば安全に使えます。

空腹での内服は避け、水で服用します。

鎮痛薬の重ね飲みや配合薬での成分重複に注意してください。

代表的な注意点を示します。

  • 胃潰瘍や腎疾患の既往:NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)は要注意
  • 抗凝固薬や抗血小板薬:自己判断で併用しない
  • 妊娠後期:NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)を避ける
  • 喘息歴:NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)で悪化に注意
  • 飲酒直後:内服を見合わせる

持病薬がある人や妊娠、授乳中の人は医師や薬剤師へ相談してください。

痛みが続く場合は医療機関の受診を優先しましょう。

避けるべき行動

痛みを増やす習慣は避けます。

血流の急上昇や炎症の悪化に注意してください。

代表例をまとめます。

  • 長風呂やサウナ:温め過ぎで痛み増加
  • 飲酒:血管拡張と脱水で悪化
  • 激しい運動:拍動増強で痛み増加
  • 喫煙:治りの遅れと血流低下
  • 熱い飲食や刺激物:神経刺激
  • 強いマッサージや温罨法:炎症拡大
  • 痛む側での咀嚼:患部への負荷

症状の悪化を防ぎ、医療機関の受診に備えてください。

頭痛を悪化させないための予防

予防

毎日のケアと定期検診でリスクを下げられます。

しみる、噛むと痛い、噛み合わせの違和感などのサインを確認し、日常生活と受診の両面で備えましょう。

悪化の兆候

悪化の兆候を早くつかめば、痛みも治療負担も小さくできます。

神経の炎症や咬合の負荷は、初期対応が早いほど鎮まりやすいからです。

目安をまとめます。

  • 冷温でしみる:数日間続けば受診
  • 噛むと鋭い痛み:早期予約
  • 朝の顎のだるさ:食いしばりを疑う
  • 片側だけで噛む癖:咬合の再確認
  • 詰め物後の高い感じ:調整依頼

複数の症状が重なったら医療機関への予約を入れてください。

早めの対応が悪化を防ぐ秘訣です。

毎日のケア

日々のケアで症状の悪化を抑えられます。

たとえば次のような習慣が効果的です。

  • フッ素配合の歯みがき粉を使用
  • 就寝前は3分間の歯みがき、少量のうがい
  • フロスや歯間ブラシを使用
  • 間食は1日1~2回に制限
  • 甘い飲料は食後にまとめて摂取
  • 就寝前の飲食は避ける
  • 水分は水か無糖茶を基本にする
  • 日中は上下の歯を離す意識

続けやすい習慣からはじめてみてください。

歯科検診、クリーニングの目安

定期検診で早めに症状を見つけられれば、重症化を防げます。

専門家が小さなむし歯、咬合のズレ、磨き残しの傾向を見つけられるからです。

受診頻度の目安は次のとおりです。

  • 低リスク(むし歯、歯周病の既往が少ない):6か月
  • 中リスク(しみや出血が時々):34か月
  • 高リスク(根管治療中、食いしばりが強い):13か月

受診時は高さの違和感や痛みの部位、発症日をメモに残すと評価が正確です。

検診とクリーニングを軸に、家庭でのケアも意識していきましょう。

関連記事:【専門家解説】虫歯じゃないのに歯が痛い奥歯の原因と対処法|ストレスの影響とは

【まとめ】早めに原因を見極めて、痛みのない毎日へ

こめかみの痛みに悩んだら、早めに原因を見つけ、対処に移りましょう。

要点をもう一度整理します。

  • 虫歯や噛み合わせの乱れは、三叉神経や副鼻腔、咀嚼筋を介してこめかみの頭痛につながります。
  • 受診を急ぐサイン(発熱や腫れ、膿のにおい/排膿、口が開きにくい/飲み込みにくい、視界の異常)は迷わず受診へ。迷ったら歯科、口腔外科を受診。
  • 自宅では頬を冷やし、刺激を避け、鎮痛薬は用量厳守。長風呂や飲酒、激しい運動は控えましょう。
  • 原因に合った治療を把握し、治療後は再診が必要なラインを見極めてください。
  • 予防は歯磨きやフロスの使用、間食と飲み物の見直し、定期検診で早期発見。

まずは受診を急ぐべき症状があるか確認 → 応急処置 → 歯科の予約の順で進めてください。

予約前に「痛む部位や強さ、症状が出た時期、経過」をメモすると診察がスムーズです。

早めの対応で、こめかみの痛みから解放され、平穏な日常に戻りましょう。

ボタン1分

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当院、医療法人歯科ハミールの分院も、今後共よろしくお願いいたします。

 この記事を書いた人

デンタルオフィス虎ノ門 院長 柳瀬賢人

デンタルオフィス虎ノ門 院長 柳瀬賢人

所属学会・勉強会

経歴

出身高校

  • 愛知県立明和高等学校

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