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デンタルオフィス虎ノ門 | 院長ブログ

2025年5月31日

なぜ抜歯後のコーヒーが危険なのか?【3つの理由】安全に再開するためのチェックポイント

「親知らずを抜いたけど、いつからコーヒー飲めるの?」

「コーヒー好きだから我慢するのがつらい」

そんな悩みを持つ方に向けて、この記事を用意しました。

この記事でわかること

  • 抜歯後にコーヒーを控えるべき3つの理由
  • コーヒーを再開してよいタイミングと見極め方
  • 我慢できない人向けの代替案や飲み方のコツ

親知らずの抜歯直後にコーヒーを飲むと、再出血や強い痛みを引き起こす可能性があります。コーヒーの温度や成分が、回復中の口内に刺激を与えるからです。

つい飲みたくなる気持ちはよくわかりますよね?

特に毎日のルーティンになっている人にとって、突然の制限はストレスになります。

この記事を読むことで、「安心してコーヒーを再開できるタイミング」と「抜歯後でも楽しめる工夫」が明確になります。

術後の回復を優先しながら、ストレスを減らす方法を知っておきましょう。

最後まで読んで、あなたの口内とコーヒー習慣を守るためのヒントを見つけてください。

ボタン30秒

なぜ抜歯後のコーヒーが危険なのか?【3つの理由】

なぜ抜歯後のコーヒーが危険なのか?【3つの理由】

親知らずを抜いた直後にコーヒーを飲むと、傷の治りを妨げる恐れがあります。温度・成分・刺激が複数のリスクを生むため、注意が必要です。

  1. 温かい飲み物が血行を促進→出血リスク
  2. カフェインが血圧を上げる可能性
  3. 傷口に染みて痛みが出ることも

順番に解説します。

温かい飲み物が血行を促進→出血リスク

抜歯後に温かいコーヒーを飲むと、再出血の原因になります。なぜなら、熱によって血管が広がり、血の巡りが活発になるからです。

例えば、親知らずを抜いた直後にホットコーヒーを飲んだ人が、血が止まらずに歯科へ再受診した例もあります。特に抜歯当日は、血餅(けっぺい)と呼ばれる血のかたまりが傷口をふさいでいます。ここに熱が加わると血餅が流れてしまい、治りが遅くなります。

飲み物を選ぶ際は、常温の水や冷ましたお茶を選びましょう。抜歯直後は、熱い飲み物を避けることが安心につながります。

カフェインが血圧を上げる可能性

カフェインを含む飲み物は、血圧を上げる可能性があります。抜歯後に血圧が上がると、痛みが強まることがあるため注意が必要です。

カフェインには交感神経を刺激する作用があります。この影響で一時的に心拍数が上がり、血管が収縮し、血圧が上がることがあります。傷口が安定していない時期にこうした変化が起きると、痛みや不快感を強く感じるリスクが出てきます。

例えば、カフェインに敏感な人がブラックコーヒーを飲んだ直後に、動悸や顔のほてりを感じるケースもあります。体調に自信があっても、抜歯後のカフェイン摂取は控えた方が安全です。

傷口に染みて痛みが出ることも

抜歯直後は、口の中の傷口がむき出しの状態になっています。そこにコーヒーが触れると、刺激となって痛みが強まることがあります。

特にブラックコーヒーは酸性が強めです。酸性の液体が傷口に直接触れると、ヒリついたり、ズキズキと痛んだりする可能性が高くなります。また、ミルクを入れたコーヒーであっても油断は禁物です。甘味料や乳成分が菌のエサになり、感染症を引き起こす恐れがあります。

例えば、抜歯の翌日に甘いカフェラテを飲んだ人が、痛みと腫れを感じて抗生剤の追加処方を受けたケースもあります。痛みを防ぐためにも、飲み物の選び方には注意しましょう。

アイスコーヒーなら大丈夫?冷たい飲み物でも要注意な理由

アイスコーヒーなら大丈夫?冷たい飲み物でも要注意な理由

抜歯後に冷たいアイスコーヒーを飲むのも注意が必要です。

冷たさが安全とは限りません。

理由は、冷たい刺激が神経にダメージを与えるおそれがあるからです。

抜歯直後は神経が敏感な状態にあります。ここに冷たい液体が触れると、しみたり、ズキッと痛んだりすることがあります。

さらに、ストローで飲むと口の中が陰圧になり、血餅がはがれる原因にもなります。血餅が取れると「ドライソケット」と呼ばれる強い痛みを引き起こすことがあります。

例えば、抜歯後にアイスコーヒーをストローで飲んだ人が、翌日に強い痛みで眠れず、再受診した例もあります。

冷たい飲み物でも安心とは言いきれません。回復を優先したいなら、刺激の少ない常温の飲み物を選びましょう。

いつからコーヒーを飲んでもOKになるの?

いつからコーヒーを飲んでもOKになるの?

親知らずを抜いた後は、最低でも24時間はコーヒーを控えましょう。なぜなら、抜歯直後は傷口が安定しておらず、刺激によって出血や痛みがぶり返す可能性があるからです。

歯科医院では、目安として24〜48時間以降に再開するよう指導されることが多いです。ただし、出血が止まっていて、腫れや痛みが落ち着いていることが前提です。

例えば、術後2日目に常温のコーヒーを少量から飲んで問題がなかったという人もいます。

再びコーヒーを楽しむためには、体調や口内の状態をよく観察して判断しましょう。

安全に再開するためのチェックポイント

安全に再開するためのチェックポイント

コーヒーを再開する前に、口の中の状態を確認しましょう。出血や痛みの有無を見て、無理のないタイミングを選ぶことが大切です。

  • 出血が完全に止まっているか
  • 痛みや腫れが治まっているか

順番に解説します。

出血が完全に止まっているか

コーヒーを飲む前に、出血が完全に止まっているかを確認しましょう。

血が止まっていない状態でコーヒーを飲むと、再出血のきっかけになります。

温かい飲み物は血管を広げる作用があるため、かさぶたが取れてしまい、治りが遅くなることがあります。特に親知らずを抜いた部分はデリケートで、少しの刺激でも血がにじむ場合があります。

例えば、抜歯の翌朝にうがいをしたところ、血の混じった唾液が出てきた人は、まだ回復途中のサインです。その状態でコーヒーを飲むと、刺激になって再出血しやすくなります。

ガーゼで押さえなくても血が出てこない状態になってから、コーヒーを再開するのが安心です。

痛みや腫れが治まっているか

コーヒーを飲んでも問題がないかどうかは、痛みや腫れが引いているかどうかでも判断できます。傷口が安定していれば、刺激を受けても反応が出にくくなります。

痛みが残っている場合、コーヒーの温度や成分が神経に触れて違和感を引き起こすことがあります。また、腫れが続いていると口の動きが制限され、飲む時に不快感が出やすくなります。

例えば、抜歯から3日経っても頬が腫れていて、冷たい水でさえしみるという人は、まだコーヒーには早い状態です。冷ましたコーヒーであっても、刺激になる可能性があります。

痛み止めを飲まなくても過ごせる状態になってから、少しずつ再開するようにしましょう。

どうしてもコーヒーが飲みたい時の対処法

どうしてもコーヒーが飲みたい時の対処法

どうしてもコーヒーが飲みたい時の対処法は以下のとおりです。

  • ノンカフェインの代替飲料
  • 室温まで冷ましたコーヒー
  • ストローは使わない(ドライソケット防止)

順番に解説します。

ノンカフェインの代替飲料

どうしてもコーヒーの香りや味を楽しみたいなら、ノンカフェイン飲料を試してみましょう。

理由は、カフェインによる血圧上昇のリスクを避けられるからです。

ノンカフェインでもホットの場合は熱が傷口に悪影響を与えるため、冷ましてから飲む必要があります。具体的には、カフェインレスの麦茶、たんぽぽコーヒー、デカフェのアイスコーヒーなどが選択肢になります。

例えば、たんぽぽコーヒーはノンカフェインで香ばしさもあり、妊婦の方にも選ばれる飲み物です。カフェインを避けつつ満足感を得たい時に便利です。

抜歯後の飲み物には、刺激が少ないノンカフェイン飲料を取り入れましょう。

室温まで冷ましたコーヒー

どうしても通常のコーヒーが飲みたいなら、室温に冷ました状態でゆっくり少量ずつ飲むことをおすすめします。熱いまま飲むと血行が促進され、再出血の原因になります。

冷たい飲み物にも注意が必要です。キンキンに冷えたアイスコーヒーは神経に刺激を与え、違和感が強まるおそれがあります。そのため、20〜25度程度に冷ました常温が最も安心です。

例えば、ホットコーヒーを淹れたあと耐熱容器に入れて30分以上放置し、湯気が出なくなってから飲むようにする方法があります。

温度に配慮すれば、術後の回復を妨げるリスクを軽減できます。

ストローは使わない(ドライソケット防止)

抜歯後にコーヒーを飲む時は、ストローの使用を避けてください。理由は、吸う動作がドライソケットの原因になるからです。

ドライソケットとは、血餅がはがれてしまい骨が露出する状態で、激しい痛みを引き起こします。ストローで強く吸うと、口の中の圧力が変わり、かさぶたが取れてしまうことがあります。

例えば、術後24時間以内にストローでアイスカフェラテを飲んだ人が、その後数日間強い痛みに悩まされた事例もあります。見た目にはわかりにくくても、中では炎症が進行していたというケースです。

ストローは便利ですが、回復を妨げるリスクがあるため、抜歯直後は使わないようにしましょう。

まとめ

最後にもう一度、親知らず抜歯後のコーヒーに関するポイントをまとめておきます。

  • 抜歯直後のコーヒーは再出血や痛みの原因になる
  • カフェインは血圧を上げ、回復を妨げる可能性がある
  • 傷口に刺激が加わると、強い痛みや感染のリスクが出る
  • アイスコーヒーやストロー使用も危険性があるため注意
  • 再開の目安は「出血が止まり、痛みが落ち着いた後」

抜歯後は、コーヒーを我慢するだけで口の回復が早まります。どうしても飲みたい場合は、ノンカフェイン飲料や常温に冷ましたコーヒーで代用するようにしましょう。ストローの使用は絶対に避けてください。

あなたの体と口の健康を守るためにも、慎重に判断することが大切です。焦らず、しっかり回復を待ってから、安心してコーヒータイムを楽しみましょう。

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当院、医療法人歯科ハミールの分院も、今後共よろしくお願いいたします。

 この記事を書いた人

デンタルオフィス虎ノ門 院長 柳瀬賢人

デンタルオフィス虎ノ門 院長 柳瀬賢人

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