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デンタルオフィス虎ノ門 | 院長ブログ

2025年10月29日

抜歯後に糸が取れた!安全な対処法を解説【保存版】

抜歯糸取れた

「抜歯したばかりなのに糸が取れた…受診すべき?」
「夜間で歯医者に連絡できない。今は何をすれば安全?」

出血や強い痛みがあれば医療機関に連絡し、出血がない場合は様子見してから判断します。
口の中は治りが早く、吸収糸がゆるんで外れる場合があります。

一方、術後すぐの出血や痛みの増悪は合併症の合図です。

糸が取れてしまうと不安になりますよね?

この記事でわかること

  • 糸が取れた時の一次対応
  • 術後の症状と対処法
  • 危険サインと受診目安

この記事を読めば、今やるべき手順が整理でき、夜間や週末の不安が小さくなります。

さっそく安全チェックから始めましょう。

ボタン30秒

抜歯後に糸が取れた時の一次対応

一時対応

まずは「触れない」「弱いうがい」「安静」を意識しましょう。

出血や強い痛みが続くなら、すぐに医療機関に連絡してください。

触らない、自己抜糸はしない

触れると血餅が外れ、痛みや出血につながります。

自己抜糸は傷を広げ、感染や再縫合のリスクを高めます。

鏡で確認する時も、短時間で切り上げましょう。

下表に避けるべき行為とリスク、推奨される行為をまとめます。

NG行為の理由と代替案

行為起きるリスク代わりにやる行為
糸を引っ張る、切る出血、傷口が開く触れないガーゼで軽く圧迫
舌や指で何度も触る血餅の脱落、痛みの増大見るだけにして触れない
ピンセットでつまむ細菌感染、腫れ歯科に連絡して指示を受ける
写真のために大きく開口する出血の再開口は大きく開けず短時間で確認

不安が大きい時は、術後日数と症状をメモして連絡してください。

弱いうがいで安静に、反対側で噛む

うがいは弱めに1回だけを心がけましょう。

強い水流は血餅を流します。

食事は反対側でやわらかい物に変え、就寝前は頭を少し高くして安静に過ごしてください。

下表に具体的な方法と目安をまとめます。

具体的な方法

項目方法、回数の目安
うがい水または薄めの洗口液で軽く1回、5秒以内
歯みがき傷口を避け、周辺だけやさしく磨く
食事反対側で噛む、やわらかい食材を選ぶ
体勢就寝時は頭を高くする、長風呂は避ける
避けるのが推奨される行為強いうがいやストローの使用、喫煙、激しい運動

飲食後は弱いうがい→外側をガーゼで軽く拭くの順に対処をおこない、清潔な状態を保ちます。

痛み止めの使い方と連絡の目安

鎮痛薬は医師の指示どおりに使います。

空腹を避け、飲酒は控えましょう。

効き目が弱いからといって規定量を超えて増やさないでください。

下表に症状別の対応方法をまとめます。

症状別の目安

症状、経過自宅対応連絡の基準
術後1〜2日で鎮痛薬が効く指示量で服用、安静にする不要(予約どおり受診)
鎮痛薬が効かない、夜間に痛みが強くなる冷やし過ぎず安静にし、無理をしない当日連絡(夜間は当番医確認)
にじむ出血が続く清潔なガーゼで20分圧迫止まらないなら連絡する
3日目以降に痛み増大、口臭や膿ありうがいは弱く1回のみ感染の疑いで連絡する
発熱や開口障害、しびれ、鼻へ抜ける感覚安静にし、冷却は短時間ですぐ連絡(口腔外科を優先)

服薬歴やアレルギーがある人は、薬の名前と飲んだ時刻をメモして伝えてください。

参考記事:日本歯科医師会_薬剤

抜歯後に糸が取れた?抜糸と縫合糸の基礎知識

基礎知識

抜糸の時期や痛み、所要時間の目安を整理します。

吸収性の糸と非吸収性の糸の違い、再縫合が必要になる場面をまとめ、迷いを減らします。

抜糸はいつ?痛みは?所要時間の目安

抜糸は抜歯から5〜10日が目安です。

チクッとした弱い痛みがある程度で、麻酔なしが一般的です。

部位が少なければ1〜3分で終わります。

抜糸の目安表

項目目安
時期抜歯後5〜10日
痛みチクッとした軽い痛み、不快感は短時間
所要時間1〜3分(部位が増えると延長)
麻酔なしが一般的
持ち物診察券、服薬中の薬一覧

抜歯の際は過度に身構えず、予約どおりに受けましょう。

吸収性糸と非吸収性糸の違い

吸収性の糸は体内で分解され、7〜14日で緩み、数週で消失します。

非吸収性は糸が残るため、抜糸が必要です。

素材の違いで扱いが変わるため、触れないようにする意識が大切です。

糸端の違和感はよくあるため、強く引っ張らずに様子を見ます。

素材名が不明なら、次回受診時に確認してください。

糸の種類と扱い方

種類代表素材溶解の有無抜糸の要否特徴、メモ
吸収性PGA(ポリグリコール酸)、Vicryl(ポリグラクチン910)などあり不要7〜14日で緩む、数週で消失
非吸収性ナイロン、シルクなどなし必要目に見えて残る、抜糸で除去

不用意に触れず、強いうがいは避けましょう。

再縫合が必要なケースと判断ポイント

再縫合は例外的です。

傷が大きく開く、出血が止まらない、骨が見える隙間があるなどの場合は再縫合の対象になります。

激しい痛みと血餅喪失、悪臭や膿などの症状があれば感染の疑いがあるため、早めの連絡が安全です。

判断の目安

状態、症状対応の目安
傷が広く開く、骨が見えるすぐ連絡、再縫合検討
圧迫で止まらない出血すぐ連絡
血餅が失われ激痛が続く連絡し、処置と薬を検討
悪臭や膿、発熱、腫れ増悪連絡し、即受診
軽い緩み、出血なし、軽い痛み様子見が一般的

迷ったら術後日数や症状、出血の有無をメモし、診療時間内に相談してください。

関連記事:親知らずの抜歯後の術後ケアのポイント

抜歯後に糸が取れた!確認すべき危険なサイン(即受診の基準)

次の症状が出たら自己判断をやめて受診してください。

危険サイン

出血が続く強痛、腫れや痛みの増悪、発熱や膿、強い悪臭などの症状が出た場合は要注意です。

術後0〜3日目の出血、激しい痛み

術後0〜3日目に止まらない出血や強い痛みが続くなら受診が必要です。

初期は血餅の安定が最優先です。

強い刺激で血餅が外れると出血が続き、痛みも増えます。

夜間なら当番医を確認し、昼間ならすぐに電話してください。

判定の目安

  • 20分間の圧迫で止血しない
  • 鎮痛薬が効かず、眠れないほどの激痛
  • 口内に血が流れ続ける感覚

初期の継続する出血や激痛は自己ケアの範囲外です。

早めに受診しましょう。

3日目以降の腫れの悪化、4日目以降の痛みの増大

3日目以降に腫れが大きくなる、または4日目以降に痛みが強くなるなら受診のサインです。通常、腫れは2〜3日でピークを越え、痛みは日ごとに軽くなります。


たとえば、3日目より頬が張る、口が開けにくい、4日目から痛みが増して夜間に跳ね上がる痛みへ変化した場合は連絡してください。

判定の目安

  • 3日目以降に腫れが拡大
  • 口が大きく開かない
  • 4日目以降に痛みが増大

症状が悪化したら放置せず、早めの受診が推奨されます。

抜歯後に糸が取れて不安?治癒のタイムラインと穴が塞がる時期

タイムラインと時期

傷の回復具合と穴が閉じる目安を日数別に整理します。

正常な範囲と受診の目安を時系列で押さえます。

抜歯後の経過目安

抜歯後の変化は段階的に見れば安心です。

血餅が安定し、肉が盛り、穴がふさがっていきます。

日数ごとの目安を基準に落ち着いて判断しましょう。

下表が経過の目安と注意点です。

経過の目安表

期間望ましい状況気をつける点
0〜3日目血餅ができて止血強いうがいやストローの使用、喫煙を避ける
4〜7日目腫れがゆるやかに減る糸端の違和感が出やすい反対側で噛む弱いうがいは1回だけ
8〜14日目痛みが軽くなる白い膜(フィブリン)が薄くなる周辺のみやさしく磨く自己抜糸はしない
15日目以降穴は少しずつ浅くなる食片は減っていく強い痛みや悪臭が出たら相談

大きな親知らずの穴は、完全に浅くなるまで数週〜数か月かかる場合があります。

長期化の原因

治りが長引く背景を知れば、早めに対処できます。

判断に迷ったら日数と症状をメモし、適切に受診しましょう。

長期化のおもな原因

  • 血餅の喪失
  • ドライソケット
  • 細菌感染
  • 抜歯の際の大きな切開や骨削除
  • 喫煙、飲酒の早期再開
  • 口呼吸、口内の乾燥
  • 糖尿病や貧血、栄養不足、免疫低下

上記のような症状に当てはまる場合は、すぐに受診してください。

夜間や週末は当番医を確認し、術後日数や症状、出血の有無を伝えると診断が早く進みます。

関連記事:親知らずの抜歯後の早期回復を促進する方法

参考記事:

抜歯後に糸が取れた!症状を悪化させないための生活ガイド

生活ガイド

毎日の過ごし方で治り方は変わります。

食事や清潔さの維持、再開時期を具体例と目安で整理し、不安を小さくします。

食事の選び方と“詰まり”対策

最初は柔らかい物を少量ずつ、患部と反対側でかみます。

食後は弱いうがいを1回だけにし、創部へ水流を当てないようにします。

詰まりやすい食材や硬い食材は避けましょう。

食事の実践ポイント

  • 反対側で噛む、食材を小さく切る
  • 熱すぎない、辛すぎない料理を選ぶ
  • 粘つく菓子や硬いクラッカーは避ける
  • 食後は弱いうがいをおこない、ガーゼで外側をやさしく拭く

入浴や運動、飲酒、喫煙やキスの再開目安

血流が急に上がる行為は腫れと出血を誘発します。

無理をすれば受診が必要になり、症状を悪化させる可能性があります。

無理を避け、体調と傷の状態を様子見しながら段階的に再開しましょう。

再開目安

  • 入浴:当日から可(ぬるめ、短時間で)
  • 運動:2〜3日は散歩まで、1週間は軽めにする
  • 飲酒:1週間は見合わせ、薬の服用中は避ける
  • 喫煙:抜糸まで見合わせ、その後も最小限にする
  • キス:出血や痛みが完全に引いてから再開

不安が残る場合は、術後日数や症状をメモし、診療時間内に相談してください。

【まとめ】抜歯で糸が取れた時は自己抜糸NG、判断に迷ったら連絡を

まず、今の状態を落ち着いて整理しましょう。

次の要点を押さえ、今後に備えます。

  • 術後日数、糸の状態や症状で判定し、出血や強い痛みが出た場合は連絡
  • 一次対応は「触らない、弱いうがいをおこなう、安静にして鎮痛薬は指示どおりに使用」
  • 吸収性糸は溶け、非吸収性は抜糸が必要
  • 発熱や膿、悪臭、開口障害などの症状が出た場合は即受診
  • 回復の目安に合わせ、食事や口内の清潔の維持をし、活動の再開を段階的に進める

まずは現状を確認し、当てはまる対処法へ進みます。

危険な症状が出たら予約を待たずに連絡を。

自己判断での対処は症状の悪化を招く可能性があります。

夜間や週末は当番医を探し、症状と術後日数を短く伝えてください。

不安を抱えたままにせず、早めに相談して安全を確保し、平穏な日常を取り戻しましょう。

ボタン30秒

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当院、医療法人歯科ハミールの分院も、今後共よろしくお願いいたします。

 この記事を書いた人

デンタルオフィス虎ノ門 院長 柳瀬賢人

デンタルオフィス虎ノ門 院長 柳瀬賢人

所属学会・勉強会

経歴

出身高校

  • 愛知県立明和高等学校

柳瀬賢人 – Wikipedia

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