「どの詰め物が自分に合うかわからない……」
このような悩みを抱えている方は多いでしょう。
削った後の処置は、ただ詰めるだけではありません。素材の違いで、見た目や強さ、磨きやすさ、持ちが変わります。噛み合わせや生活習慣、清掃のしやすさも選ぶ基準の一つとなるでしょう。
この記事では、虫歯を削って詰める治療の基本や詰め物の素材の特徴、治療の流れと痛みの目安、長持ちのためのセルフケアを詳しく解説します。
目次
虫歯を削った後の詰め物治療の基本

削った後の修復は「長く噛める」「見た目が気になる」「磨きやすい」の優先度で選びましょう。
| 方法 | 向くケース | 主な長所 | 留意点 |
| レジン充填 | 小〜中の欠損 | ・歯を多く残せる・その日に終わりやすい・白くて目立ちにくい | ・大きい穴では欠けやすいことがある・唾液が入ると外れやすくなるため丁寧な処置が必要 |
| メタルインレー | 中〜大の欠損 奥歯 | ・壊れにくく噛む力に強い・形を安定して作りやすい | ・見た目が銀色で目立つ・金属アレルギーに配慮が必要・通院が2回以上・歯をやや多く削る傾向がある |
| セラミック系 | 審美重視 中〜大の欠損 | ・歯の色に近く自然汚れが付きにくく清掃しやすい | ・費用が高め・割れを避けるため厚みが必要・通院が2回以上 |
例えば、白い歯で早く仕上げたい場合は、レジンが候補になるでしょう。最終決定は、穴の大きさや噛み合わせや清掃の得意、不得意、アレルギー歴を踏まえて歯科医師と相談してください。
レジン充填・インレー・クラウンの位置づけ
レジン充填は、白い樹脂を直接詰める方法です。小さな穴に向き、当日仕上げができるでしょう。インレーは型取りで作る詰め物です。中くらいの穴に合います。クラウンは歯を囲う被せ物です。大きな欠損や割れ予防で選びます。
小さな咬合面や浅い穴であればレジン充填がよいでしょう。隣接面が広かったり形を安定させたかったりする場合には、インレーがおすすめです。咬頭が薄い、ひびの疑い、根管に近い場合にはクラウンが有力候補でしょう。
見た目や強さ、清掃しやすさの優先度で選んでください。
最小限の切削と接着の基本
基本方針は、柔らかくなった虫歯部分を中心に最小限だけ削り、健全部位を守ることです。段差を作らない形に整えると、清掃時の負担が下がり、再発の芽を減らせます。
接着は成功のカギです。唾液を避けて乾いた環境を保ち、前処理から接着、薄く重ねて硬化、研磨の順で丁寧に進めていきます。辺縁がなめらかだと、汚れが付きにくくなるでしょう。
基本はインレーやクラウンでも同じです。適合性を高め、余分なセメントをしっかり除去します。噛み合わせを微調整し、欠けや外れを減らします。
通院回数の目安と仮詰めの役割
回数は方法で変わります。レジン充填は一度で終わる例が多く、短期間での修復が見込めるでしょう。インレーは形成と型取りに続いて装着が必要になり、少なくとも2度の受診が目安です。クラウンは土台を必要とする場合があり、2〜3回の受診になるケースがあります。
仮詰めは、形の維持と歯髄の保護に役立ちます。食べ物の詰まりやしみを抑え、最終装着までの橋渡しを担います。仮詰め中は、粘着性や硬い食品は控えめにしましょう。外れたら保管し、早めに歯科医院に連絡してください。
装着後は経過を確認していきます。噛むと響く、高さが気になる、冷たい刺激で強くしみる状態が続く場合は、調整の合図です。
関連記事:虫歯の治療方針の決め方
虫歯を削った後の詰め物の素材別の特徴

詰め物の素材は、見た目や強さ、清掃の負担、通院回数や費用に影響します。虫歯を削る処置のあと、どれを選ぶかで日常の快適さが変わるでしょう。選択の軸は、穴の大きさと場所、噛む力、清掃の得意、不得意、金属アレルギー歴です。
保険の範囲で選べる素材もあります。審美や清掃性を重視するなら、自費素材が候補に入る場面もあります。違いをつかんだうえで、検査結果と生活背景に合わせて決めていきましょう。
コンポジットレジン
コンポジットレジンは白い樹脂の詰め物です。歯に直接つめて固めるため、小〜中の欠損に向いています。色が歯になじみやすく、当日で仕上がる例が多い点も特徴です。削る量を抑えやすいため、健全な歯を多く残したいときに相性がよい選択肢になります。
メリット
- 歯の色に近く、見た目が自然に見える
- その日に完了する場合が多い
- 削る量を抑えやすい(接着で保持)
デメリット
- 大きな穴では割れや外れのリスクが上がる
- 唾液や水分が入ると接着が弱くなる
- 経年でわずかな色の変化が出る場合がある
小さな咬合面や範囲が限られた隣接面で力を発揮します。術中は乾いた環境の確保が重要です。仕上げに段差をなくすと清掃の負担を減らせるでしょう。
メタルインレー
メタルインレーは型取りで作る金属の詰め物です。中〜大の欠損で、特に奥歯のように噛む力が強い部位に向いています。形を安定して再現しやすく、接触点も狙った位置に整えやすいのが強みです。
メリット
- 噛む力に強く、壊れにくい
- 型で作るため、形の再現が安定しやすい
- 適切に作れば、段差やすき間を抑えやすい
デメリット
- 銀色で目立つため、見た目に配慮が必要
- 金属アレルギーに注意
- 通院は2回以上になりやすく、削る量がやや多い
広い範囲で形態を保ちたいときに現実的です。見た目を優先する場合は、部位や笑ったときの見え方も一緒に検討しましょう。
セラミック系インレー・クラウン
セラミック系は白い陶材(ハイブリッド含む)を使います。色や透明感が自然で、汚れが付きにくいです。インレーだけでなく、歯を全周で覆うクラウンにも応用されます。審美や清掃性を重視する場面で候補になりやすい素材です。
メリット
- 歯に近い色で自然に見えやすい
- 表面がつるつるで、汚れがたまりにくい
- 金属を使わないため、金属アレルギーの心配が少ない
デメリット
- 費用が高め(自費になることが多い)
- 割れを防ぐために一定の厚みが必要
- 通院は2回以上が目安で、設計と接着に丁寧さを要する
前歯に近い部位や見た目を重視する奥歯で選ばれる傾向があります。厚みを確保した設計と確実な接着で良好な結果が期待できるでしょう。
虫歯治療後の詰め物治療の流れと痛みの目安

詰め物の治療は診断で範囲を見極め、う蝕を取り除き、形と高さを整え、材料を入れて仕上げる順序で進みます。工程を理解しておくと、通院回数や所要時間の見通しが立ちやすくなるでしょう。
詰め物治療の流れ
最初に問診と視診、X線や口腔内カメラで虫歯の深さと広がりを確認します。小さな欠損なら同日に詰め物まで進む場合があります。
インレーやクラウンを予定するケースでは、型取りと装着の二段階になります。清掃指導や食事の注意点は、その日の口腔内に合わせて調整します。
一般的な流れ(例)
- 診断:問診と検査で範囲を特定
- う蝕除去:柔らかい部分を中心に最小限の切削
- 形成:清掃しやすさと適合を意識した形に整える
- 修復:レジン充填は当日、インレー等は型取り後に装着
- 仕上げ:咬合調整・研磨・ホームケアの確認
工程を一つずつ進めると、段差や高さのズレが起きにくくなるでしょう。型取り後の装着日までは仮詰めで保護します。装着後は噛み合わせの微調整を含めて仕上げ、清掃の通りをその場で確認します。
術後のしみ・ズキズキの経過目安と受診基準
術後は、冷たい水でしみる感覚や噛んだときの軽い響きが出ることがあります。多くは数日から1〜2週間で落ち着くでしょう。
高さの微調整で改善する場合もあるため、遠慮なく症状を共有してください。温かい刺激で続く痛みや、夜間に目が覚めるような痛みは別の評価が必要になります。
受診の目安
- 痛みが強まる、または2週間以上続く
- 温かい飲食で持続痛が出る
- 噛むと鋭い痛みが続く、高さの違和感が取れない
- 歯ぐきの腫れ、発熱、違和感の拡大
上記のような変化は、咬合や適合、歯髄の状態を確認するサインです。早めに評価すれば、調整や処置の選択肢を保ちやすくなります。
仮詰めが外れた・欠けたときの対応
仮詰めは、装着までの期間に形の維持や神経の保護を担います。粘着性の強い菓子や、硬い食品は外れの原因になりやすいため控えましょう。
外れた材料は捨てずに清潔に保管し、できるだけ早く連絡すると再来時の判断がスムーズです。
自宅でのポイント
- 外れた仮詰めは保管し、早めに連絡
- 市販接着剤の使用は避ける
- 清掃はやさしく、刺激の強い部位は無理をしない
- 反対側で噛む、冷たい刺激や粘着性食品を控える
強い痛みや出血、しみが急に増えた場合は、予約を待たずに受診してください。仮詰めはあくまで一時的な保護です。最終装着までの期間管理が、仕上がりと快適さにつながります。
長持ちのためのセルフケア

詰め物は入れて終わりではありません。辺縁に汚れが残ると二次う蝕の誘因になります。毎日の清掃と、定期メンテナンスの両輪で管理すると、やり直しの頻度を抑えやすくなります。
食習慣や噛みしめへの配慮も、詰め物の寿命に直結します。無理なく続ける方法で、負担の少ない習慣へ置き換えていきましょう。
ブラッシング・フロス・洗口のポイント
詰め物の境目は汚れが停滞しやすい部位です。毛先の角度とストロークが合えば、短時間でも効果が変わります。
フロスで接触点を通過させると、レジンやインレーの辺縁に残る軟らかい汚れを取り除きやすくなります。仕上げにフッ化物で再石灰化を後押ししましょう。
以下の点に気をつけて歯を清掃してみてください。
- 歯ブラシは45°で小刻み
- 1か所あたり10〜20往復
- フロスはC字で上下に動かす
- 1日1回は1450ppmF※を使用
- 洗口は就寝前に30秒が目安
磨く順番を決めると、磨き残しが減ります。歯間ブラシはサイズが合うと通過感がなめらかになります。しみが出る日は力を弱め、柔らかめのブラシへ一時的に切り替えてください。研磨剤の強いペーストは、痛みが落ち着くまで控えましょう。
※1450ppmFとは、歯みがき剤に入っているフッ化物(フッ素)の濃度表示です。
定期メンテナンスでのチェック項目
セルフケアだけでは見えない変化があります。定期メンテナンスでは、X線や触診で二次う蝕の兆候、詰め物の段差、接触点、咬合の高さを確認できます。
間隔は3〜6ヶ月が目安ですが、状況に応じて変わるため歯科医師の指示に従いましょう。
以下が定期メンテナンスで行う主なチェックです。
- X線で隣接面の影を確認
- プローブで辺縁の段差を確認
- 咬合紙で高い接触を確認
- 研磨後にフロスの通過を確認
写真記録があると、わずかな色調や辺縁の変化に気づきやすくなります。甘味の頻度や起床時の違和感など、生活の変化もメモに残すと評価に役立ちます。
治療直後は早めのフォローで微調整を進めるのがよいでしょう。
生活習慣とナイトガード
間食の回数と就寝前の飲食は、口の中の酸性時間を延ばします。砂糖飲料は、回数を意識し、飲んだ後は水で口を潤すとリスクを下げやすいです。柑橘やスポーツ飲料の直後は、酸により表層が柔らかくなるため、強いブラッシングを避けましょう。
以下のような習慣の見直しをしてみてください。
- 間食は時間を決めて回数管理
- 就寝前の飲食は控えめに
- 甘味飲料は食事と一緒に
- 喫煙は歯ぐきの状態に悪影響
歯ぎしりや食いしばりがある場合は、ナイトガードで詰め物の負担を軽減するのがおすすめです。就寝時に装着し、中性洗剤などでやさしく洗い、乾燥しすぎを避けて保管します。
変形や欠けを見つけたときは、自己修理を行わず受診してください。咬合の擦り減りが強い方は、定期的に調整しましょう。
関連記事:【永久保存版】歯間ブラシのやりすぎは危険?今日からできる正しい頻度とコツ
詰め物治療の費用と保険適用の考え方

費用は素材と方法、適用される制度で変わります。
保険では規格化された材料と術式が中心になり、自己負担を抑えやすい反面、見た目や材質の選択肢に制限がかかります。
自費では審美や清掃性、設計の自由度が広がりますが、費用は上がりがちです。
診断結果や生活背景、希望の優先度を整理し、現実的な範囲で選びましょう。
保険・自費の一般的な区分と判断材料
保険は、コンポジットレジン充填や規格化された金属インレーなどの一定の条件を満たす材料と術式が対象です。
自費は、セラミック系インレーやクラウンなど審美性や清掃性を重視した選択ができます。
制度は見直されるため、受診時に最新の適用範囲を確認してください。費用だけでなく、噛む力や清掃のしやすさ、見た目の希望を一つずつ優先順位づけすると、後の満足度につながるでしょう。
判断の精度を上げるには、素材の特性とご自身の条件を対応づける視点を持つことが大切です。例えば、奥歯で強く噛んだり、フロスが苦手だったりなど、日常の特徴を先に言語化してから素材を選ぶと、不安を減らせます。
最終決定は、画像所見と噛み合わせ評価を踏まえ、担当の歯科医師と相談して決めてください。
以下の項目を詰め物を選ぶ検討材料にするとよいでしょう。
- 見た目:色調・透明感への希望
- 清掃性:段差の少なさ、ツルツル感
- 強さ:噛む力、歯ぎしりの有無
- 通院回数:一度で終えたいかどうか
- アレルギー:金属歴、皮膚症状の既往
- 予算:保険内か、自費も検討するか
あらかじめ要望や不安などをメモにして相談すると、説明が具体的になります。保険で可能な範囲と自費で得られる追加価値を並べて比較すれば、納得できる選択ができるでしょう。
再修復コスト
再修復は、初回より範囲が広がる傾向があります。二次う蝕や破折で形を整え直すと、削除量が増えてしまう恐れがあります。
方法がレジンからインレーへ、そしてクラウンへと段階的に重くなる場合があります。段階が上がると、回数や費用、歯質の喪失が累積しやすく、長期的な負担につながります。そのため、「長持ち=初回の適合とセルフケア+定期メンテ」の組み合わせが重要です。
再修復の発生を抑えるには、日常の管理を具体的に整理しましょう。詰め物の辺縁を磨けているか、砂糖の摂取回数が多くないか、歯ぎしりの兆候がないかを点検してみてください。
装着後の違和感を放置しない姿勢も効果的です。早い段階で咬合や段差を整えるほど、二次う蝕や欠けの芽を摘みやすくなります。
以下の再修復を減らすヒントを参考にチェックしてみてください。
- 装着直後にフロスの通りを確認
- 3〜6か月ごとの研磨とX線チェック
- 砂糖飲料は、回数を管理
- 歯ぎしりが疑わしいときはナイトガード
- 違和感は早めに相談して微調整
短期の出費だけで判断せず、5年、10年の視点で考えることが大切です。初回で清掃しやすい設計と適切な素材を選び、定期メンテナンスで微調整を重ねることが、結果として再修復コストの抑制につながるでしょう。
よくある質問と回答

治療後は、小さな違和感や不安になる方は少なくありません。痛みの経過や詰め物が取れた時の対応、再発の可能性は、相談が多いです。
ここでは来院前に確認しておきたい事項を説明します。自己判断で放置せず、目安に沿って早めに相談すると、やり直しの範囲を抑えやすくなるでしょう。
詰め物の後、しみたり噛むと痛いのは普通なの?
術後は冷水でしみる、噛むと響くなどの刺激痛が出る場合があります。多くは数日〜1〜2週間で軽くなります。
高さの微調整で和らぐ例もあるため、症状は担当医に共有してください。
温かい飲食で続く痛み、夜間に目が覚める痛み、痛みの増強は別の評価が必要です。長引く場合は早めに受診し、咬合や辺縁の適合、歯髄の状態を確認しましょう。
詰め物が取れた・欠けたらどうする?
外れた詰め物は捨てずに清潔に保管し、できるだけ早く連絡してください。市販接着剤は使わず、歯面を傷つけないようにしましょう。
受診までの間は、反対側で噛む、粘着性や硬い食品を控えると安心です。痛みや出血、しみの急な増加がある場合は、予約を待たずに受診しましょう。
詰め物の端から、また虫歯になるの?
辺縁は汚れが停滞しやすく、清掃が不十分だと二次う蝕が起きやすくなります。毎日のブラッシングとフロス、定期メンテナンスでの研磨とX線確認が予防の柱です。
段差やザラつき、色の広がり、フロスの引っ掛かりが続く場合は注意が必要です。早めに調整すれば、やり直しの範囲や回数を抑えやすくなります。
関連記事:虫歯かもしれない?原因と悪化させない対処法【保存版】
まとめ|虫歯を削った後の詰め物は画像診断と咬合の確認で素材を決めよう!
虫歯になって歯を削った後の詰め物は、素材がさまざまです。選び方は、削った穴の大きさと場所、噛む力、清掃のしやすさ、費用の優先度を整理していくことが大切です。
画像診断で範囲を確かめ、咬合を確認しながら、レジンやメタル、セラミックの適応を担当歯科医師と詰めていきましょう。
歯を長持ちさせる鍵は毎日のケアです。毛先の当て方を意識したブラッシングやフロス、就寝前のフッ化物応用で辺縁のリスクを下げられます。
また、3〜6か月の定期メンテナンスで段差や高さを微調整すると、再修復やコストの増大を抑えやすくなるでしょう。自分の歯を長く守るために、今日からできる習慣を続けていきましょう。
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当院、医療法人歯科ハミールの分院も、今後共よろしくお願いいたします。
この記事を書いた人

デンタルオフィス虎ノ門 院長 柳瀬賢人
所属学会・勉強会
- MjARSの主宰(歯科医師の勉強会)
- M:ALT’s(@土屋歯科クリニック&works)所属
- SJCD(日本臨床歯科学会)会員
- ITIベーシック・アドバンス サティフィケイト
経歴
- 東京医科歯科大学 卒業
- 名古屋大学 口腔外科
- 歯周病インプラント専門医Jiads講師のもとで勤務
- 医療法人複数歯科医院勤務
- 医療法人歯科ハミール デンタルオフィス虎ノ門院 院長就任
出身高校
- 愛知県立明和高等学校



