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2025年6月28日

レントゲンで親知らずが埋まっている場合の対処法|抜歯の判断基準とは?

「親知らずが埋まってるってどういう意味?」
「レントゲンで埋伏って言われたけど、抜かないといけないの?」

こうした疑問を持つ方に向けた記事です。

この記事でわかること

  • 親知らずが埋まっている場合のレントゲンの見え方
  • 抜歯が必要なケースと不要なケース
  • 抜歯後の注意点とセルフケア方法

親知らずが埋まっていると言われたら、多くの場合で将来的なトラブルの原因になります。
放置すると、歯並びの乱れや虫歯・歯周病のリスクが高まるため、早めに判断することが大切です。

「痛くないから大丈夫」と思っていても、不調はある日突然起こるものですよね?
この記事を読むことで、親知らずの状態を正しく理解し、自分に合った治療の選択ができるようになります。

不安を取り除き、納得のいく判断ができるように、最後まで読んでみてください。

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そもそも親知らずとは?

そもそも親知らずとは?

親知らずとは、上下左右の一番奥に生えてくる第三大臼歯のことです。

生える時期は10代後半から20代前半が一般的で、すでに他の歯が生えそろった後に出てきます。

生えるスペースが足りないと、斜めや横向きに生えたり、歯ぐきや骨の中に埋まったままになることがあります。

まっすぐ生えて正常にかみ合えば問題はありませんが、多くの場合は不調の原因になります。

例えば、親知らずが隣の歯にぶつかって痛みや腫れを引き起こしたり、歯みがきが届かず虫歯や歯周病につながることがあります。

親知らずは、生え方によって将来的なリスクが変わるため、歯科での定期的なチェックが必要です。

関連記事親知らず抜歯後の顔の変化と注意点を徹底解説

レントゲンでどうわかる?埋まってる親知らずの見分け方

レントゲンでどうわかる?埋まってる親知らずの見分け方

親知らずが歯ぐきの中に隠れているかどうかは、レントゲン撮影で確認できます。特に埋まっている場合は、角度や深さなども画像から判断されます。

レントゲン写真での見え方の特徴

埋まっている親知らずは、レントゲン写真に独特の写り方をします。

歯が真横を向いている「水平埋伏」、やや傾いている「斜め埋伏」、完全に骨や歯ぐきに覆われている「完全埋伏」など、いくつかのパターンがあります。

水平埋伏は、親知らずが横向きに生えており、隣の歯にぶつかっている状態です。

斜め埋伏は、少し角度がついた状態で隣の歯に接していたり、歯ぐきの中に潜っていたりします。完全埋伏は、レントゲンに歯の形が一部しか写らず、骨の中に埋まっていて表面からは見えません。

それぞれの見え方は治療法の選択にも直結します。画像での判別は歯科医の重要な判断材料になります。

親知らずの位置や角度で異なる診断

親知らずの位置や生えている角度によって、治療方針が変わります。

まっすぐ生えている親知らずは清掃もしやすく、症状がなければ抜歯せずに経過観察となることがあります。

一方、斜めや横向きに生えている場合は、隣の歯を圧迫しやすく、虫歯や歯周病の原因になります。

さらに、歯の根が神経や血管の近くにある場合は、抜歯にリスクが伴います。

例えば、下あごの親知らずが神経のすぐそばにあると、術後にしびれが残る可能性があるため、CTでさらに詳しく確認してから処置を検討します。

位置や角度の情報は、正確な診断と安全な治療のために欠かせません。

CTが必要なケースもある?

レントゲンだけでは判断が難しい場合、CT撮影を行うことがあります。

CTは三次元的に画像を取得できるため、親知らずの位置関係を立体的に確認できます。

特に、下あごの神経との距離が近い場合や、歯の根が湾曲している場合は、CTによってより正確な情報を得ることが可能です。これにより、手術中のトラブルを未然に防ぐことにつながります。

例えば、レントゲンでは親知らずが骨の中にあるように見えても、実際には神経と接していない場合もあります。CTでそのズレを確認できれば、抜歯のリスクを大きく下げられます。

安全に処置を行うために、必要に応じてCTを使った精密な診断が行われます。

関連記事:親知らずの抜歯後の術後ケアのポイント

埋まっている親知らずは抜くべき?

埋まっている親知らずは抜くべき?

埋まっている親知らずは、症状がなくても抜いた方が良い場合があります。

将来的に炎症や歯並びへの悪影響を引き起こす可能性があるため、歯科での診断を受けて適切な判断をしましょう。

抜歯が必要なケースと不要なケース

埋まっている親知らずは、すぐに抜歯した方が良いケースと、経過観察でも問題ないケースがあります。まずは症状とリスクを把握することが大切です。

抜歯が必要な代表的なケースは以下の通りです。

  • 親知らず周囲の歯ぐきが繰り返し腫れる
  • 奥歯に強い痛みや違和感がある
  • 隣の歯が押されて歯並びが乱れている
  • 虫歯が進行し、治療が難しい状態

一方で、以下のような状態であれば、必ずしもすぐに抜歯を行う必要はありません。

  • 骨の中に完全に埋まっていて、炎症や痛みがない
  • 隣接歯や神経に悪影響を与えていない
  • 定期的にレントゲンで状態を確認している

親知らずの抜歯は、現在の症状だけでなく、将来起こりうる問題を予防する目的でも行われます。専門の歯科医による判断が欠かせません。

症状がなくても抜いたほうが良い理由とは

自覚症状がない場合でも、埋まっている親知らずは早めに抜いた方が良いことがあります。

理由は、将来的なリスクを未然に防ぐためです。

例えば、完全に歯ぐきに覆われた親知らずの周囲は、歯ブラシが届きにくく汚れがたまりやすい構造です。

清掃が不十分な状態が続くと、歯ぐきの奥に膿がたまる「智歯周囲炎」や、手前の第二大臼歯に虫歯が発生するおそれがあります。

また、顎のスペースが狭い人の場合、埋まっている親知らずが他の歯を圧迫し、歯並びが変化してしまうこともあります。特に矯正治療後は歯列を安定させるためにも、親知らずの抜歯を推奨されることがあります。

症状が出る前に抜くことで、炎症や腫れによるトラブルを避けられ、抜歯後の回復も比較的スムーズになります。早期に専門の歯科で相談しましょう。

抜かずに様子を見る場合の注意点

抜歯をせず経過観察を選ぶ場合は、いくつかの注意点を押さえておく必要があります。

何も対策をせずに放置すると、思わぬトラブルにつながる可能性があります。

まず、埋まっている親知らずの周囲は汚れがたまりやすく、炎症や感染の温床になりやすいです。そのため、定期的な歯科検診を受けることが欠かせません。特に、半年から1年に一度のペースでレントゲンを撮り、親知らずの位置や状態に変化がないか確認します。

また、痛みや腫れなどの兆候が出たときには、すぐに受診して対応することが重要です。例えば、親知らずが少しずつ動いて神経に近づくようなケースでは、早めに抜歯する必要があります。

放置を選ぶ際は、医師と相談しながら「いつでも抜歯に切り替えられる準備」をしておくことが安心につながります。抜かない選択をした場合でも、油断せず継続的なチェックを怠らないようにしましょう。

抜歯後の注意点とセルフケア

抜歯後の注意点とセルフケア

親知らずを抜いた後は、痛みや腫れなどのトラブルを防ぐために、適切なセルフケアが重要です。

飲食や薬の使い方、生活習慣の見直しなど、正しい方法を守りましょう。

抜歯当日の注意点(飲酒・運動・うがい)

親知らずを抜いた当日は、血が止まりにくくなったり、腫れが悪化したりするため、いくつかの行動を避ける必要があります。

まず飲酒は厳禁です。血行が良くなり出血が再開するおそれがあります。運動も同様に血流が上がるため控えましょう。

うがいのし過ぎも問題です。血のかたまり(血餅)が取れると「ドライソケット」という強い痛みを伴う状態になることがあります。

どうしてもうがいが必要な場合は、軽く口をゆすぐ程度にしてください。

湯船に長時間浸かることや、サウナの利用も当日は避けましょう。体温が上がることで痛みや腫れが増す原因になります。

抜歯当日は「安静第一」と意識し、刺激を与えない生活を心がけましょう。

痛み止めや抗生物質の使い方

抜歯後は、処方された薬を正しく使うことで回復がスムーズになります。

まず痛み止めは、痛くなってから飲むのではなく、痛みが出る前に飲むと効果的です。特に麻酔が切れる前に服用することで、痛みのピークを抑えやすくなります。

抗生物質は細菌感染を防ぐために出される薬です。たとえ痛みがなくなっても、医師の指示通りに最後まで飲み切る必要があります。途中でやめてしまうと、口の中で菌が繁殖して再び腫れることがあります。

薬を飲み忘れた場合は、気づいた時点ですぐに飲みましょう。ただし、2回分をまとめて飲むのは避けてください。

自己判断で薬の服用をやめたり、市販薬と併用したりしないように注意しましょう。

食事・睡眠・歯磨きのポイント

抜歯後の回復を早めるには、食事・睡眠・口腔ケアを丁寧に整えることが大切です。

食事は柔らかく、冷たいものを選ぶのが基本です。例えば、豆腐・おかゆ・ヨーグルトなどが適しています。熱い食べ物は血流を促し、出血を再発させるおそれがあるため控えましょう。

噛むときは、抜歯した側を避けて反対側を使ってください。ストローの使用も吸引圧で血餅が取れることがあるため禁止です。

睡眠中は枕をやや高めにすると、顔の腫れを抑えやすくなります。抜歯した側を下にして寝るのは避けましょう。

歯磨きは当日は避け、翌日から傷口を避けて磨き始めます。優しく磨き、刺激を与えないように注意してください。

丁寧な生活習慣を守ることが、トラブルの少ない抜歯後の回復につながります。

よくある質問(FAQ)

よくある質問(FAQ)

埋まっている親知らずについては、痛みがない場合や妊娠中など、状況によって判断に迷うこともあります。よくある疑問をわかりやすく解説します。

埋まっていても痛くないなら放置していいの?

痛みがなくても、埋まっている親知らずは放置しない方がよいです。

理由は、見えない部分で炎症や虫歯が進行する可能性があるからです。

例えば、完全に歯ぐきの中に埋まっている水平埋伏智歯は、隣の歯の根に圧力をかけて歯並びを乱すことがあります。また、気づかないうちに歯周病が進行し、膿がたまって痛みや腫れが急に出るケースもあります。

症状がない場合でも、歯科医による定期的な診断を受け、抜歯のタイミングを判断してもらいましょう。

上下左右4本とも抜くべき?

4本すべての親知らずを抜く必要はありません。

理由は、親知らずの状態によって対応が変わるからです。

例えば、上の親知らずがまっすぐ生えていて、隣の歯と問題なく並んでいる場合は、抜かずに保存することもあります。

一方で、下の親知らずが横向きで歯ぐきに埋もれており、将来的に腫れや炎症のリスクが高い場合は抜歯がすすめられます。

親知らずの本数に関係なく、それぞれの状態を診断し、抜歯が必要かどうかを歯科医と相談しましょう。

妊娠中や授乳中は抜ける?

妊娠中は基本的に抜歯を避ける方が安心です。

理由は、麻酔や薬の使用、抜歯後の体調管理が制限されるからです。

例えば、妊娠初期は胎児の器官形成期にあたるため、不要な治療は控えるのが一般的です。妊娠中期(安定期)であれば、痛みや感染リスクが高い緊急性のある親知らずに限り、産婦人科と連携したうえで処置が行われる場合もあります。授乳中は、使用する薬剤に注意すれば抜歯は可能です。

妊娠や授乳の時期に親知らずの違和感がある場合は、必ず歯科医と産婦人科医の両方に相談しましょう。

まとめ

  • 親知らずは奥歯に生える第三大臼歯で、埋伏すると将来的なリスクが高まる
  • レントゲンやCTで埋まり方や位置を確認し、適切な診断が必要
  • 症状がなくても抜歯がすすめられるケースがある
  • 妊娠中や授乳中は医師と相談のうえ、慎重に判断する
  • 抜歯後はセルフケアと生活管理が重要

親知らずが埋まっていると言われた場合は、放置せず、まず歯科医院での診断を受けましょう。今後のリスクを抑えるためにも、早めの対処が安心につながります。

正しい知識と行動で、不安やトラブルを未然に防ぎましょう。あなたの健康な口腔環境づくりに、この記事が役立てばうれしいです。

当院、医療法人歯科ハミールの分院も、今後共よろしくお願いいたします。

 この記事を書いた人

デンタルオフィス虎ノ門 院長 柳瀬賢人

デンタルオフィス虎ノ門 院長 柳瀬賢人

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